こんにちは。ファイナンシャルプランナー(CFP)の田中と申します。大手銀行での個人向け資産運用コンサルタントを10年、証券会社での投資アドバイザーを5年経験し、現在は皆さまのお金の悩みに寄り添うマネーメディアを運営しています。
実は私自身、20代の頃に車検費用の支払いで家計が大きく圧迫された経験があります。当時は貯金もほとんどなく、突然の15万円という車検費用に途方に暮れました。「車がないと仕事に行けない、でもお金がない」という状況で、初めて車検ローンというものを知り、利用したのです。
あの時の私のように、車検費用の支払いで頭を抱えている方は決して少なくありません。車検は法的に義務付けられているため避けて通れませんが、まとまった費用が必要になるため、家計にとって大きな負担となります。
「車検でローンを組むなんて、お金の管理ができていない証拠なのでは?」と自分を責める必要はありません。大切なのは、現在の状況を冷静に分析し、最も賢明な選択をすることです。
この記事では、車検ローンの仕組みから具体的な活用方法、注意点まで、私の実体験と専門知識を交えながら詳しく解説いたします。きっと、あなたの状況に最適な解決策が見つかるはずです。
車検費用の現実:なぜ多くの人が支払いに困るのか
車検費用の内訳と相場
まず、車検費用がなぜ家計を圧迫するのか、その実態を見てみましょう。
普通車の車検費用相場(2024年データ)
- 法定費用:約5万5,000円〜6万円
- 自賠責保険料:25,830円(24ヶ月)
- 重量税:16,400円〜32,800円(車重により変動)
- 印紙代:1,800円
- 点検・整備費用:3万円〜8万円
- 基本点検料:2万円〜3万円
- 部品交換費用:1万円〜5万円(消耗品の状態により変動)
- 総額相場:8万5,000円〜14万円
軽自動車の場合は、法定費用が約3万7,000円、総額で6万円〜10万円程度となります。
なぜ車検費用は家計を圧迫するのか
1. 突発的な高額出費 車検は2年に1度(新車は3年)というサイクルのため、日常の家計管理の中で意識しにくく、「気がついたら来月が車検」という状況になりがちです。
2. 追加整備費用の予測困難 法定費用は事前に計算できますが、ブレーキパッドやタイヤなどの消耗品交換が必要になると、予算を大幅に超える場合があります。私が相談を受けたケースでは、予算10万円で考えていたのに、エンジンオイル漏れの修理で追加5万円が必要になったという方もいらっしゃいました。
3. 車なしでは生活が成り立たない現実 地方にお住まいの方や、通勤で車が必要な方にとって、車検を先延ばしにするという選択肢はありません。お金がなくても、何とかして車検を通す必要があります。
家計への影響の実例
実際に私のもとに相談に来られた、30代のご夫婦のケースをご紹介します。
相談者プロフィール
- 夫(会社員):年収450万円
- 妻(パート):年収80万円
- 子ども:2歳の長男
- 毎月の貯金:2万円
この家庭の車検費用は12万円でした。毎月2万円の貯金では、車検のための準備金を貯めるのに6ヶ月必要です。しかし、車検の時期は待ってくれません。
「子どもの保育園の送迎で車が必要だし、夫の通勤にも使っている。車検が通らないと生活が成り立たない」と奥様は涙ながらに相談されました。
このような状況では、車検ローンという選択肢が現実的な解決策となります。
車検ローンの基本的な仕組み
車検ローンとは
車検ローンとは、車検費用を分割で支払うための専用ローンです。一般的なカードローンと異なり、車検という明確な目的があるため、比較的低金利で利用できるのが特徴です。
車検ローンの種類
1. ディーラー・整備工場提携ローン 車検を依頼する整備工場やディーラーが提携している信販会社のローンです。
- 金利相場:年3.9%〜8.9%
- 審査時間:最短30分〜1時間
- 借入限度額:10万円〜300万円
2. 銀行の目的別ローン 銀行が提供する車検専用ローンや自動車関連ローンです。
- 金利相場:年2.5%〜5.5%
- 審査時間:2〜3営業日
- 借入限度額:10万円〜500万円
3. 信販会社の車検ローン オリコ、ジャックス、セディナなどの信販会社が直接提供するローンです。
- 金利相場:年4.5%〜12.0%
- 審査時間:最短即日〜翌営業日
- 借入限度額:10万円〜300万円
審査基準と必要書類
一般的な審査基準
- 年収:150万円以上(パート・アルバイトも可)
- 勤続年数:6ヶ月以上
- 年齢:20歳以上65歳以下
- 他社借入:年収の3分の1以下
必要書類
- 本人確認書類(運転免許証、保険証など)
- 収入証明書(給与明細、源泉徴収票など)
- 車検見積書
- 銀行口座の通帳(返済用)
私の経験では、年収200万円程度のパート勤務の方でも、安定した収入があれば審査に通るケースが多いです。
車検ローンのメリット:家計にやさしい分割払い
1. 家計への負担を分散できる
分割払いによる負担軽減効果
車検費用12万円を一括で支払う場合と、12回分割で支払う場合を比較してみましょう。
一括払いの場合
- 支払額:12万円(月の家計から一気に12万円が消える)
- 家計への影響:その月の貯金ができない、場合によっては生活費不足
12回分割払いの場合(金利年5%想定)
- 月々の支払い:約10,280円
- 総支払額:約123,360円
- 利息総額:約3,360円
月々1万円強の支払いであれば、家計に大きな支障をきたすことなく管理できます。利息は発生しますが、家計の安定性を考えると十分に価値のある選択と言えます。
2. 急な追加整備にも対応可能
車検では、点検の結果によって予想以上の整備費用が発生することがあります。
実際のケース 私が相談を受けた40代の男性は、車検見積もりが8万円だったのに、実際には以下の追加整備が必要になりました。
- ブレーキパッド交換:3万円
- タイヤ2本交換:4万円
- バッテリー交換:1万5,000円
総額16万5,000円となり、当初の予算を大幅に超過しました。
このような場合、現金で一括払いしようとすると家計が破綻しかねません。車検ローンなら、追加分も含めて分割払いにできるため、安心して必要な整備を受けられます。
3. 貯金を温存できる
車検費用のために貯金をすべて使ってしまうと、その後の緊急事態に対応できません。
貯金温存の重要性
- 突発的な医療費
- 家電の故障・買い替え
- 冠婚葬祭費
- 子どもの急な出費
私は常に相談者の方に「貯金は家計の命綱」とお伝えしています。車検費用で貯金を使い切ってしまうより、ローンを活用して貯金を残しておく方が、総合的な家計の安全性は高まります。
4. 計画的な家計管理が可能
車検ローンを利用することで、毎月決まった金額を支払うことになります。これにより、家計管理がより計画的になります。
家計管理の改善効果
- 月々の固定費として把握しやすい
- 次回の車検に向けた準備が計画的にできる
- 家計簿での管理が容易
実際に車検ローンを利用された方からは、「毎月決まった金額なので、家計の見通しが立てやすくなった」という声をよくお聞きします。
車検ローンのデメリット:注意すべき落とし穴
1. 利息負担の発生
車検ローンの最大のデメリットは、利息が発生することです。
利息負担の具体例
10万円を金利年5%で借りた場合の利息負担を返済期間別に見てみましょう。
6回払い(6ヶ月)の場合
- 月々の返済額:約17,097円
- 総支払額:約102,582円
- 利息総額:約2,582円
12回払い(1年)の場合
- 月々の返済額:約8,560円
- 総支払額:約102,720円
- 利息総額:約2,720円
24回払い(2年)の場合
- 月々の返済額:約4,387円
- 総支払額:約105,288円
- 利息総額:約5,288円
返済期間が長くなるほど月々の負担は軽くなりますが、利息総額は増加します。
2. 審査に落ちるリスク
車検ローンも借入れである以上、審査があります。以下のような場合、審査に通らない可能性があります。
審査に落ちやすいケース
- 過去に支払いの延滞がある
- 他社借入れが多い
- 勤続年数が短い(3ヶ月未満など)
- 収入が不安定
私が相談を受けたケースでは、クレジットカードの支払いを2回延滞していた方が審査に落ちたことがあります。ただし、別の信販会社では審査に通ったため、1社で断られても諦める必要はありません。
3. 借金に対する心理的負担
「借金をしている」という心理的な負担を感じる方もいらっしゃいます。
心理的負担を軽減するための考え方
- 車検は法的義務であり、必要不可欠な出費
- 計画的な分割払いであり、浪費ではない
- 家計の安定化のための賢明な選択
私は相談者の方に、「車検ローンは借金ではなく、家計の調整ツール」という考え方をお伝えしています。罪悪感を持つ必要はまったくありません。
4. 返済途中での追加借入れ制約
車検ローンの返済中は、他のローンの審査に影響する場合があります。
影響を受ける可能性があるローン
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 教育ローン
- カードローン
ただし、車検ローンの金額は比較的少額なため、大きな影響はないことが多いです。私の経験では、車検ローンが原因で住宅ローンの審査に落ちたというケースは聞いたことがありません。
車検ローンが「あり」なケース:こんな人におすすめ
ケース1:手持ち資金が不足している場合
状況例
- 車検費用:12万円
- 手持ち資金:5万円
- 来月のボーナス:30万円
この場合、ボーナスまで待てば一括払いできますが、車検の期限が迫っているため待てません。車検ローンを利用して、ボーナスで繰上げ返済するという方法が効果的です。
実際の体験談 私自身も20代の頃、まさにこの状況でした。車検費用15万円に対して手持ちが8万円しかなく、2ヶ月後のボーナスを待つこともできませんでした。車検ローンで12回払いにして、ボーナスで6ヶ月後に一括返済しました。利息は約1万円でしたが、車を使えない期間がなく、仕事に支障をきたすことなく解決できました。
ケース2:貯金を温存したい場合
状況例
- 車検費用:10万円
- 貯金:50万円
- 近い将来の予定:子どもの入学費用(30万円)
十分な貯金があっても、近い将来に大きな出費が予定されている場合は、車検ローンの活用をおすすめします。
メリット
- 子どもの入学費用に貯金を使える
- 緊急時の備えを残せる
- 家計の安全性を保てる
ケース3:家計の平準化を図りたい場合
状況例
- 月収:30万円
- 月の支出:28万円
- 貯金:月2万円
このような場合、車検費用10万円を一括で支払うと、5ヶ月分の貯金が消えてしまいます。12回分割にすれば、月々約8,500円の支払いで、通常の貯金ペースを維持できます。
長期的な視点での効果
- 家計の安定性向上
- 継続的な貯金習慣の維持
- 次回車検への準備が可能
ケース4:信用情報の構築を図りたい場合
特に若い方や、これまでローンを利用したことがない方は、車検ローンを適切に返済することで信用情報を構築できます。
信用情報構築のメリット
- 将来の住宅ローン審査に有利
- クレジットカードの審査に有利
- より良い条件でのローン利用が可能
ただし、この目的での利用は副次的なものと考え、まずは家計の状況を優先して判断してください。
車検ローンが「なし」なケース:避けるべき状況
ケース1:十分な貯金があり、家計に余裕がある場合
状況例
- 車検費用:12万円
- 貯金:200万円
- 月の収支:黒字5万円
この場合、わざわざ利息を払ってローンを組む必要はありません。一括払いで車検費用を支払い、その後の貯金で補填する方が経済的です。
判断基準
- 貯金が車検費用の3倍以上ある
- 車検費用を支払っても生活に支障がない
- 近い将来に大きな出費の予定がない
ケース2:すでに複数の借入れがある場合
避けるべき状況
- クレジットカードのリボ払い残高が多い
- カードローンを利用中
- 他のローンの返済が滞りがち
複数の借入れがある状態で新たなローンを組むと、返済負担が家計を圧迫する危険性があります。
代替案
- 親族からの借入れ
- クレジットカードの分割払い
- 車検時期の延期(可能な場合)
ケース3:収入が不安定な場合
避けるべき状況
- フリーランスで収入の変動が大きい
- 転職を予定している
- 勤務先の経営状況が不安定
収入が不安定な状況でローンを組むと、返済が困難になるリスクがあります。
私の相談事例 フリーランスのデザイナーの方が、車検ローンを組んだ翌月に大口の案件がキャンセルになり、返済に困ったケースがありました。最終的には親族の支援で解決しましたが、大きなストレスを抱えることになりました。
ケース4:金利の高いローンしか利用できない場合
金利が年15%を超えるような高金利のローンしか利用できない場合は、他の方法を検討すべきです。
高金利の場合の代替案
- クレジットカードの分割払い(金利12〜15%程度)
- 家族・友人からの借入れ
- 車検内容の見直し(最低限の整備に絞る)
車検ローンの選び方:最適な商品の見つけ方
1. 金利の比較
車検ローンを選ぶ際の最重要ポイントは金利です。
金利比較の例(10万円・12回払いの場合)
提供会社 | 金利 | 月々返済額 | 総支払額 | 利息総額 |
---|---|---|---|---|
A銀行 | 3.5% | 8,530円 | 102,360円 | 2,360円 |
Bディーラー | 5.9% | 8,610円 | 103,320円 | 3,320円 |
C信販会社 | 8.9% | 8,730円 | 104,760円 | 4,760円 |
同じ10万円を借りても、金利の違いで利息総額に2,400円の差が生まれます。必ず複数社を比較しましょう。
2. 審査スピード
車検の期限が迫っている場合は、審査スピードも重要な要素です。
審査スピード別分類
- 即日審査:信販会社系、ディーラー提携ローン
- 翌営業日:一部銀行、信販会社
- 2〜3営業日:多くの銀行
私の経験では、車検期限まで1週間を切っている場合は、審査の早い信販会社系を選ぶことをおすすめします。
3. 繰上げ返済の条件
早期返済を予定している場合は、繰上げ返済の条件を確認しましょう。
確認すべきポイント
- 繰上げ返済手数料の有無
- 一部繰上げ返済の可否
- 手続き方法(窓口、ATM、ネットなど)
手数料の例
- A社:繰上げ返済手数料無料
- B社:1回につき5,500円
- C社:残元本の3%
手数料の差は意外に大きいので、必ず確認してください。
4. 借入限度額と必要書類
借入限度額の目安
- 銀行系:10万円〜500万円
- 信販会社系:10万円〜300万円
- ディーラー系:車検費用の範囲内
必要書類の簡素さ 手続きの簡単さも選択基準の一つです。
- 簡単:本人確認書類のみ
- 普通:本人確認書類+収入証明書
- 複雑:上記+在籍確認書類
実際の申し込みから返済までの流れ
Step1:事前準備
必要書類の準備
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 収入証明書(給与明細、源泉徴収票など)
- 車検見積書
- 返済用口座の通帳
金利や条件の事前調査 複数社の条件を比較検討しておきます。私のおすすめは、まず自分のメインバンクに相談してみることです。既存の取引があると、優遇金利が適用される場合があります。
Step2:申し込み
申し込み方法
- ネット申し込み:24時間受付、審査結果も早い
- 店頭申し込み:相談しながら手続きできる
- 電話申し込み:オペレーターのサポートあり
申し込み時の注意点
- 虚偽の申告は絶対にしない
- 年収は税込み総額で記入
- 他社借入れは正確に申告
私が相談を受けた方で、「少しでも審査に通りやすくなるように」と年収を多めに申告した方がいましたが、後で収入証明書との相違が発覚し、審査に落ちてしまいました。正直な申告が一番です。
Step3:審査
審査の流れ
- 仮審査(信用情報の照会)
- 本審査(書類確認、在籍確認)
- 審査結果の通知
在籍確認について 多くの場合、勤務先への在籍確認があります。
- 確認方法:電話(個人名または社名)
- 確認内容:在籍の事実のみ
- 所要時間:1〜2分程度
在籍確認を避けたい場合は、事前に相談すれば書類での確認に変更してもらえることもあります。
Step4:契約・融資実行
契約方法
- Web契約:ネット上で完結
- 郵送契約:書類の郵送・返送
- 来店契約:店舗での手続き
融資実行 契約完了後、指定した口座に融資額が振り込まれます。整備工場に直接支払われる場合もあります。
Step5:返済
返済方法
- 口座振替:毎月自動で引き落とし
- ATM返済:コンビニや銀行のATMで入金
- ネット返済:ネットバンキングで振込
返済日の管理 返済日を忘れないよう、スマホのカレンダーやリマインダーに登録しておきましょう。延滞は信用情報に影響するため、絶対に避けてください。
車検ローンの賢い活用術
1. 金利を下げる方法
給与振込口座の銀行を利用する メインバンクなら、優遇金利が適用される可能性があります。私の相談者で、通常金利5.5%のところ、給与振込により3.5%で借りられた方がいました。
キャンペーンの活用 季節ごとに金利優遇キャンペーンを実施している金融機関があります。
複数社同時申し込み 審査に通った中から最も条件の良いものを選べます。ただし、短期間に多数申し込むと信用情報に影響するため、3社程度に留めましょう。
2. 返済期間の最適化
月々の返済額から逆算 家計に無理のない返済額から返済期間を決めます。
ボーナス時の繰上げ返済を前提とした計画 最初は長期で借りて、ボーナス時に繰上げ返済する方法もあります。
実例:効果的な返済計画
- 借入額:12万円
- 当初計画:24回払い(月々約5,100円)
- 実際の返済:12ヶ月目にボーナスで一括返済
- 結果:利息総額を約2,000円削減
3. 次回車検への備え
車検ローンを利用した場合、次回の車検に向けた準備も重要です。
車検積立の始め方
- 今回の車検費用を次回の目安とする
- 2年間(24ヶ月)で割って月額を算出
- 自動積立定期預金を活用
例:12万円の車検費用の場合
- 月額積立額:5,000円
- 2年後の積立額:12万円
- 次回は現金一括払いが可能
私は相談者の方に、車検ローンを利用した翌月から車検積立を始めることをおすすめしています。「今回はローンでしのいだけど、次回は現金で」という目標があると、貯金のモチベーションも上がります。
4. 家計改善との組み合わせ
車検ローンを利用するタイミングで、家計の見直しも行いましょう。
見直しポイント
- 通信費(格安SIMへの変更)
- 保険料(自動車保険の見直し)
- 光熱費(電力会社の変更)
- サブスクリプション(不要なサービスの解約)
実際の改善例 ある相談者は、車検ローンをきっかけに家計を見直し、以下の節約を実現しました。
- 携帯料金:月8,000円→3,000円(年6万円の節約)
- 自動車保険:年8万円→5万円(年3万円の節約)
- 電気代:月12,000円→9,000円(年3.6万円の節約)
合計で年12.6万円の節約となり、次回の車検費用を十分に賄えるようになりました。
車検費用を抑える方法:根本的な解決策
1. 車検業者の選び方
車検費用を抑える最も効果的な方法は、適切な業者選びです。
業者別の特徴と費用相場
ディーラー車検
- 費用:10万円〜15万円
- メリット:高品質、純正部品使用、アフターサービス充実
- デメリット:費用が高い
民間整備工場
- 費用:7万円〜12万円
- メリット:費用対効果が良い、地域密着のサービス
- デメリット:技術力にばらつき
車検専門店(コバック、車検のコンビニ倶楽部など)
- 費用:6万円〜10万円
- メリット:スピードが早い、料金が明確
- デメリット:整備の質にばらつき
カー用品店(オートバックス、イエローハットなど)
- 費用:6万円〜11万円
- メリット:土日営業、部品が豊富
- デメリット:混雑しやすい
ガソリンスタンド
- 費用:5万円〜9万円
- メリット:最も安価、給油ついでに依頼可能
- デメリット:整備技術に不安がある場合も
2. 事前の見積もり比較
複数の業者から見積もりを取ることで、大幅な費用削減が可能です。
私の相談事例 ある相談者の見積もり比較結果:
業者 | 基本料金 | 部品代 | 合計 |
---|---|---|---|
ディーラー | 8万円 | 6万円 | 14万円 |
民間整備工場A | 6万円 | 4万円 | 10万円 |
民間整備工場B | 5万5,000円 | 3万5,000円 | 9万円 |
車検専門店 | 5万円 | 3万円 | 8万円 |
同じ車、同じ整備内容でも6万円の差が生まれました。見積もり比較は必須です。
3. 部品交換の判断
車検時の部品交換は、本当に必要なものだけに絞ることが重要です。
優先度別部品交換リスト
最優先(安全に直結)
- ブレーキパッド・ローター
- タイヤ(溝1.6mm以下)
- ライト類
優先
- バッテリー(3年以上経過)
- ワイパーブレード
- エンジンオイル
検討
- エアフィルター
- スパークプラグ
- 冷却水
後回し可能
- 外観の小傷修理
- 内装の清掃・補修
私の経験では、「ついでに」という整備で費用が倍増するケースが多いです。車検に通すために最低限必要な整備と、快適性向上のための整備を明確に分けて判断しましょう。
4. ユーザー車検という選択肢
自分で陸運支局に車を持ち込んで車検を受ける「ユーザー車検」なら、法定費用のみで車検を通せます。
ユーザー車検のメリット
- 費用が法定費用のみ(普通車で約5万5,000円)
- 車の状態を自分で把握できる
- 待ち時間が少ない
ユーザー車検のデメリット
- 事前の点検・整備が必要
- 手続きが複雑
- 平日の日中のみ受検可能
ユーザー車検に向いている人
- 車の整備知識がある
- 平日に時間を確保できる
- 車の状態が良好
私自身もユーザー車検を2回経験しましたが、車の知識がある程度必要で、初心者にはハードルが高いと感じました。
車検以外の選択肢:買い替えという判断
1. 車検費用と車の価値の比較
高額な車検費用を前に、買い替えを検討すべき場合もあります。
買い替えを検討すべきケース
- 車検費用が車の査定額を上回る
- 修理箇所が多く、今後も高額な整備が予想される
- 燃費が悪く、維持費が高い
判断基準 車検費用と同程度の予算で、より良い中古車が購入できる場合は買い替えも選択肢の一つです。
実例:買い替えが得だったケース 10年落ちの軽自動車(走行距離12万km)の車検費用が18万円の見積もりでした。
- 現在の車の査定額:10万円
- 車検費用:18万円
- 車検後の車の価値:5万円程度
この場合、18万円で車検を通すより、同額で年式の新しい中古車を購入する方が経済的です。
2. カーリースという新しい選択肢
最近注目されているのがカーリースです。
カーリースのメリット
- 車検費用込みの月額料金
- 突発的な出費がない
- 新車に乗れる
カーリースのデメリット
- 総額では購入より高くなる場合が多い
- カスタマイズできない
- 中途解約にペナルティ
月額料金の例(軽自動車の場合)
- 5年契約:月額15,000円〜25,000円
- 7年契約:月額12,000円〜20,000円
車検のたびに高額な費用に悩むより、毎月定額の方が家計管理しやすいという方には良い選択肢です。
3. 公共交通機関の活用
都市部にお住まいなら、車を手放すという選択肢もあります。
車を手放すメリット
- 車検費用:ゼロ
- 自動車税:ゼロ
- 自動車保険料:ゼロ
- ガソリン代:ゼロ
- 駐車場代:ゼロ
年間維持費の試算 普通車の年間維持費は約50万円〜80万円です。この金額で、かなり充実した公共交通機関の利用やタクシー利用が可能です。
私の相談事例 都内在住の30代夫婦が、車を手放すことで年間70万円の節約を実現。その資金でつみたてNISAを始め、10年で約900万円の資産形成に成功しました。
ただし、地方にお住まいの方や、お子さんがいるご家庭では車が必要不可欠な場合が多いため、慎重な検討が必要です。
よくある質問と回答
Q1. 車検ローンの審査に落ちた場合はどうすればいいですか?
A1. 複数の選択肢があります
審査に落ちても諦める必要はありません。以下の方法を検討してください。
他社への申し込み 審査基準は会社によって異なります。A社で断られてもB社では通る可能性があります。
クレジットカードの分割払い 車検代金をクレジットカードで支払い、後から分割払いに変更する方法です。
家族・友人からの借入 利息がかからず、返済条件も柔軟に設定できます。
車検内容の見直し 最低限の整備に絞って費用を抑え、手持ち資金で対応する方法もあります。
Q2. 車検ローンは信用情報に影響しますか?
A2. 適切に返済すればプラスの影響があります
車検ローンも他のローンと同様に信用情報機関に登録されます。
プラスの影響
- 期日通りの返済で信用度アップ
- 将来のローン審査に有利
マイナスの影響
- 延滞すると信用情報に傷がつく
- 他のローンの審査に影響する可能性
重要なのは、無理のない返済計画を立てることです。
Q3. 繰上げ返済はした方がいいですか?
A3. 手数料と利息を比較して判断してください
繰上げ返済のメリット
- 利息負担の軽減
- 借入期間の短縮
注意点
- 繰上げ返済手数料がかかる場合がある
- 手元資金が減る
判断基準 繰上げ返済手数料<削減される利息 の場合は繰上げ返済がお得です。
Q4. 車検ローンと他のローンの違いは何ですか?
A4. 目的が明確で金利が低いのが特徴です
車検ローンの特徴
- 目的が車検費用に限定
- 比較的低金利
- 審査が比較的緩い
他のローンとの比較
ローン種類 | 金利相場 | 資金使途 | 審査 |
---|---|---|---|
車検ローン | 3〜8% | 車検費用のみ | 緩い |
カードローン | 5〜18% | 自由 | 厳しい |
自動車ローン | 2〜5% | 車の購入のみ | 厳しい |
Q5. 学生やパートでも車検ローンは利用できますか?
A5. 安定収入があれば利用可能です
利用可能な条件
- 年収150万円以上(目安)
- 6ヶ月以上の勤続期間
- 満20歳以上
学生の場合 アルバイト収入が安定していれば審査対象となります。ただし、親の同意が必要な場合があります。
パート・アルバイトの場合 正社員でなくても、継続的な収入があれば問題ありません。私の相談者で、パート年収180万円の主婦の方が審査に通った例があります。
まとめ:車検ローンとの上手な付き合い方
車検ローンは、適切に活用すれば家計の強い味方となります。しかし、借入れである以上、計画的な利用が不可欠です。
車検ローンを利用すべき人
- 手持ち資金が不足している
- 貯金を温存したい明確な理由がある
- 家計の平準化を図りたい
- 返済能力に問題がない
車検ローンを避けるべき人
- 十分な貯金がある
- すでに複数の借入れがある
- 収入が不安定
- 高金利でしか借りられない
成功する車検ローン活用のポイント
1. 金利重視で選ぶ 0.1%の金利の差も、総額では大きな差になります。面倒でも複数社を比較しましょう。
2. 無理のない返済計画 月々の返済額は手取り収入の5%以内に収めることをおすすめします。
3. 次回への備えを開始 車検ローンを利用した翌月から、次回車検のための積立を始めましょう。
4. 家計全体の見直し 車検費用の負担をきっかけに、家計の無駄を見直す良い機会と捉えましょう。
私からのメッセージ
車検ローンを利用することに罪悪感を持つ必要はまったくありません。車検は法的義務であり、避けて通れない出費です。大切なのは、現在の状況を正直に受け入れ、最も合理的な選択をすることです。
私自身も20代の頃に車検ローンを利用し、それがきっかけで家計管理の重要性を学びました。今では3,000万円の資産を築くことができましたが、その第一歩は車検ローンだったかもしれません。
お金の不安は誰にでもあります。一人で悩まず、専門家に相談したり、信頼できる情報を収集したりしながら、一歩ずつ前進していきましょう。
車検ローンは、あなたの家計を守り、生活を安定させるための一つの手段です。適切に活用して、より良い家計管理への道筋をつけていただければと思います。
車検費用で悩んでいるすべての方が、最適な選択ができることを心から願っています。そして、お金の不安から解放され、安心して毎日を過ごせるようになることを、心から応援しています。
筆者プロフィール 田中和也(仮名) CFP(Certified Financial Planner)資格保有、AFP認定歴12年 大手銀行での個人向け資産運用コンサルタント経験10年、証券会社での投資アドバイザー経験5年 自身の投資・家計管理経験を活かし、読者の皆様のお金の悩みに寄り添うマネーメディアを運営
免責事項 本記事の内容は2024年7月時点の情報に基づいており、金利や制度は変更される場合があります。実際の借入れ時は、各金融機関の最新情報をご確認ください。また、個別の投資判断については、専門家にご相談することをおすすめします。