「NISAを始めたいけど、SBI証券と楽天証券のどちらを選べばいいの?」
そんな悩みを抱えながら、この記事にたどり着いてくださった方へ。私もあなたと同じように、証券会社選びで迷いに迷った経験があります。
実は、私が投資を始めた15年前、「大手だから安心」という理由だけで証券会社を選び、後になって「もっとお得な選択肢があったのに…」と後悔したことがありました。その時の悔しさが、今こうして皆さんにより良い選択をしていただきたいという想いにつながっています。
私は田中と申します。CFP(上級ファイナンシャルプランナー)の資格を持ち、大手銀行で10年、証券会社で5年にわたって個人のお客様の資産運用をサポートしてきました。現在は独立して、本当にお客様のためになる情報をお伝えすることを使命として活動しています。
正直にお話しすると、20代の頃に株式投資で200万円の大損を経験し、30代前半では家計管理ができずに借金200万円を背負った経験もあります。しかし、その失敗があったからこそ、つみたてNISAや確定拠出年金を活用した堅実な資産形成で、現在は3,000万円の資産を築くことができました。
この記事では、そんな私の実体験と専門知識を基に、SBI証券と楽天証券という日本を代表する二大ネット証券会社を、初心者の方でもわかりやすく、そして公平に比較していきます。決して特定の会社を推奨するのではなく、あなたの生活スタイルや価値観に最も合った選択ができるよう、メリットもデメリットも包み隠さずお伝えします。
なぜ証券会社選びが重要なの?長期投資における小さな差の大きな影響
「証券会社なんてどこも同じでしょ?」
実は、私のお客様からよく聞かれる質問です。しかし、これは大きな誤解なのです。
例えば、毎月3万円をつみたてNISAで20年間投資したとします。年利5%で運用できた場合、元本720万円が約1,233万円になります。しかし、ここで年間2,000円の口座管理手数料がかかる証券会社を選んでしまうと、20年間で4万円の差が生まれます。
さらに重要なのは、投資信託の信託報酬(運用コスト)です。信託報酬が年0.1%と年0.5%の商品では、同じ投資額・運用期間でも最終的に約20万円の差が生まれることがあります。
私が銀行員時代に担当したAさんは、「手数料なんて小さな違いでしょ?」と考えていましたが、10年後に運用成果を比較した際、証券会社と商品選びの違いだけで約30万円の差が出ていたことに驚かれていました。
つまり、証券会社選びは「今」だけでなく「未来の資産」に大きく影響する、人生の重要な決断なのです。だからこそ、しっかりと比較検討していただきたいのです。
SBI証券の特徴:業界最大手の安心感と圧倒的な商品ラインナップ
SBI証券ってどんな会社?基本情報をわかりやすく解説
SBI証券は、ネット証券業界で最大の口座数を誇る証券会社です。2023年12月時点で約1,100万口座を超える圧倒的な実績があります。
私が証券会社で働いていた頃、「SBI証券さんは本当にお客様第一で取り組まれている」という評判をよく耳にしていました。実際、手数料の値下げやサービス改善を業界全体をリードする形で推進してきた歴史があります。
SBI証券の母体であるSBIグループは、ネット金融サービスを幅広く展開する上場企業です。住信SBIネット銀行やSBI損保なども同グループで、金融サービス全体でのシナジー効果を活用したお得なサービスが特徴的です。
SBI証券の魅力的なメリット:なぜ多くの投資家に選ばれるのか
1. 業界最安水準の手数料体系
SBI証券の最大の魅力は、業界でもトップクラスの低コスト構造です。
国内株式取引手数料(税込)
- 5万円まで:55円
- 10万円まで:99円
- 20万円まで:115円
また、「アクティブプラン」という1日の約定代金の合計で手数料が決まるプランでは、1日100万円まで手数料が無料という業界最安水準のサービスを提供しています。
私の相談者であるBさん(30代会社員)は、「毎月少しずつ株を買いたい」という希望があり、SBI証券のアクティブプランを利用することで、年間約2万円の手数料を節約できました。Bさんは「浮いた手数料分で、また投資ができるから嬉しい」と話されていました。
2. 投資信託の豊富な選択肢と優秀な低コスト商品
SBI証券では、2,600本を超える投資信託を取り扱っています。特に注目すべきは、eMAXIS Slimシリーズやニッセイ基礎研究所のiFreeシリーズなど、信託報酬が極めて低い優秀な商品が充実していることです。
例えば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬は年0.1133%と、同種の商品の中でも最安水準です。この商品一本で世界中の約2,900社に分散投資ができ、まさに初心者の方にとって理想的な商品と言えます。
3. Vポイント・Pontaポイント・dポイント・PayPayポイントの4つから選択可能
SBI証券では、投資信託の保有額に応じて年率最大0.25%のポイントが付与されます。しかも、Vポイント(旧Tポイント)、Pontaポイント、dポイント、PayPayポイントの4種類から選択できるため、あなたの普段の生活スタイルに合わせて最適化できます。
私の相談者Cさん(40代主婦)は、普段からファミリーマートを利用することが多いため、Vポイントを選択されました。投資信託の保有だけで年間約5,000ポイントを獲得し、「家計の足しになって本当に助かる」と喜ばれています。
4. 米国株式の取扱銘柄数が業界最多水準
SBI証券は米国株式の取扱銘柄数が約5,600銘柄と、業界トップクラスの充実度を誇ります。Apple、Microsoft、Google(Alphabet)などの有名企業はもちろん、成長性が期待される中小型株まで幅広くカバーしています。
さらに、米国株式も1株から購入できる「S株」サービスがあり、例えばApple株を1株約2万円程度から購入することができます。
SBI証券のデメリット:正直にお伝えする注意点
1. ウェブサイトの情報量が多すぎて初心者には複雑
SBI証券の弱点として、ウェブサイトの情報量が膨大で、初心者の方には「どこから手をつけていいかわからない」という声をよく聞きます。
私が初心者向けセミナーを開催した際、参加者のDさん(20代会社員)から「SBI証券のサイトを見てみたけど、情報がありすぎて混乱してしまった」という相談を受けました。これは、豊富なサービスゆえの悩みと言えるでしょう。
2. カスタマーサポートの混雑時には繋がりにくい
口座数が多いがゆえに、特に相場が急変する時期やNISA制度改正などの時期には、電話サポートが混雑し、なかなか繋がらないことがあります。
ただし、チャットサポートやメールサポートも充実しており、緊急性がそれほど高くない質問であれば、これらのサービスで十分対応可能です。
3. IPO抽選の当選確率が相対的に低い
SBI証券はIPO(新規上場株式)の取扱数は多いものの、口座数が多いため、抽選の競争率が高く、当選確率は他の証券会社と比較して低くなりがちです。
楽天証券の特徴:楽天経済圏との連携でポイント投資を最大化
楽天証券ってどんな会社?楽天グループの金融サービス
楽天証券は、楽天グループが運営するネット証券会社で、口座数は約900万口座を超え、SBI証券に次ぐ業界第2位の規模を誇ります。
楽天証券の最大の特徴は、楽天市場、楽天カード、楽天銀行など、楽天グループのサービスとの連携によるシナジー効果です。私自身も楽天証券の口座を持っており、楽天経済圏を活用したポイント投資の魅力を実感しています。
楽天証券の魅力的なメリット:楽天経済圏ユーザーには最適解
1. 楽天ポイントで投資ができる画期的なサービス
楽天証券の最大の魅力は、楽天ポイントを使って実際に投資ができることです。楽天市場での買い物や楽天カードの利用で貯まったポイントを、そのまま投資信託や国内株式の購入に使用できます。
私の相談者Eさん(30代パート主婦)は、「投資は怖いけど、ポイントなら失っても諦めがつく」という理由でポイント投資から始められました。最初は月1,000ポイント程度でしたが、徐々に投資に慣れ、現在では現金とポイントを組み合わせて月3万円の積立投資を続けておられます。
2. 楽天カードクレジット決済で1%のポイント還元
楽天証券では、投資信託の積立購入を楽天カードで決済することで、投資額の1%分の楽天ポイントが還元されます。(ただし、月額上限5万円まで)
例えば、毎月5万円をつみたてNISAで積立投資した場合、年間で6,000ポイント(500ポイント×12か月)が貯まります。これは実質的に投資リターンが1%上乗せされるのと同じ効果があります。
3. 楽天銀行との連携で普通預金金利がアップ
楽天証券と楽天銀行の口座を連携させる「マネーブリッジ」を設定すると、楽天銀行の普通預金金利が年0.1%(通常は年0.02%)にアップします。
さらに、投資信託の残高に応じて、最大年0.30%まで金利が上がる仕組みもあり、預金と投資の両方でメリットを享受できます。
4. 直感的でわかりやすい取引画面
楽天証券のウェブサイトやスマートフォンアプリは、楽天市場のデザインと統一感があり、楽天サービスに慣れ親しんだ方には非常に使いやすい設計になっています。
特に「かんたん積立アプリ」は、投資初心者でも迷うことなく積立設定ができる優れたツールです。
楽天証券のデメリット:知っておきたい注意点
1. 楽天カードクレジット決済のポイント還元率変更リスク
2022年9月から、楽天カードでの投資信託積立のポイント還元率が、カードの種類によって0.2%~1.0%と変更されました。今後も制度変更のリスクがあることを理解しておく必要があります。
私が相談を受けたFさん(40代会社員)は、「ポイント還元率が下がってしまい、SBI証券への乗り換えを検討している」と話されていました。ただし、それでも楽天経済圏での総合的なメリットを考えると、楽天証券を継続使用する価値があると判断されています。
2. 商品ラインナップがSBI証券よりやや少ない
投資信託の取扱本数は約2,600本とSBI証券と同水準ですが、米国株式の取扱銘柄数は約4,700銘柄とSBI証券より若干少なくなっています。
ただし、初心者の方が投資を始める上で必要な商品は十分に揃っており、実用上は全く問題ありません。
3. 一部の手数料がSBI証券より高い場合がある
国内株式の取引手数料は、楽天証券も業界最安水準ですが、一部の取引でSBI証券よりわずかに高い設定となっています。
ただし、楽天ポイントでの還元を考慮すると、実質的なコストは楽天証券の方が安くなるケースも多くあります。
項目別徹底比較:あなたに最適な証券会社はどっち?
手数料比較:コスト重視派への詳細分析
国内株式取引手数料
SBI証券(スタンダードプラン・税込)
- 5万円まで:55円
- 10万円まで:99円
- 20万円まで:115円
- 50万円まで:275円
- 100万円まで:535円
楽天証券(超割コース・税込)
- 5万円まで:55円
- 10万円まで:99円
- 20万円まで:115円
- 50万円まで:275円
- 100万円まで:535円
基本的な手数料体系は両社とも同一水準です。
1日定額プラン比較
SBI証券(アクティブプラン)
- 100万円まで:0円
- 200万円まで:1,238円
- 300万円まで:1,691円
楽天証券(いちにち定額コース)
- 100万円まで:0円
- 200万円まで:2,200円
- 300万円まで:3,300円
大きな違いが出るのは200万円以上の取引で、SBI証券の方が圧倒的に安い設定となっています。
投資信託の取引手数料
両社とも、ノーロード投資信託(買付手数料無料)を多数取り扱っており、特に人気の低コストインデックスファンドは全て買付手数料無料となっています。
ポイントサービス比較:どちらがお得?
貯まるポイント
SBI証券
- 投資信託保有:年率最大0.25%
- 選択できるポイント:Vポイント、Pontaポイント、dポイント、PayPayポイント
楽天証券
- 投資信託保有:年率最大0.048%
- 楽天カード積立:月5万円まで1%還元(楽天カードの場合)
- 貯まるポイント:楽天ポイント
使えるポイント
SBI証券
- Vポイント、Pontaポイントで投資信託購入可能(1ポイント=1円)
楽天証券
- 楽天ポイントで投資信託・国内株式購入可能(1ポイント=1円)
- 期間限定ポイントも投資に使用可能
商品ラインナップ比較:投資の選択肢はどちらが豊富?
投資信託
SBI証券
- 取扱本数:約2,600本
- つみたてNISA対象:183本
- 主要な低コストインデックスファンド:全て取扱い
楽天証券
- 取扱本数:約2,600本
- つみたてNISA対象:183本
- 主要な低コストインデックスファンド:全て取扱い
投資信託に関しては、両社とも必要十分な商品ラインナップを提供しています。
米国株式
SBI証券
- 取扱銘柄数:約5,600銘柄
- 最低購入額:1株から(S株)
- 取引手数料:約定代金の0.495%(税込、最低0ドル~上限22ドル)
楽天証券
- 取扱銘柄数:約4,700銘柄
- 最低購入額:1株から
- 取引手数料:約定代金の0.495%(税込、最低0ドル~上限22ドル)
米国株式についてはSBI証券の方が取扱銘柄数で優位性があります。
操作性・使いやすさ比較:初心者にはどちらが親切?
ウェブサイト・アプリの使いやすさ
SBI証券
- 情報量が豊富だが、初心者には複雑に感じることがある
- 機能が充実している分、画面が複雑
- スマホアプリ「SBI証券 株」は高機能だが、慣れが必要
楽天証券
- 楽天市場と統一されたデザインで親しみやすい
- 直感的な操作が可能
- 「かんたん積立アプリ」は初心者向けに最適化
初心者の方には、楽天証券の方が取っつきやすいという評価が多いようです。
サポート体制
SBI証券
- 電話サポート:平日8:00-17:00(IPO・PO注文受付は8:00-21:00)
- チャットサポート、メールサポートも充実
- 口座数が多いため、混雑時は繋がりにくい場合がある
楽天証券
- 電話サポート:平日8:30-17:00
- チャットサポート、メールサポートも充実
- 比較的サポートに繋がりやすい
あなたはどちらを選ぶべき?タイプ別おすすめ診断
楽天経済圏ユーザーなら迷わず楽天証券
普段から楽天市場で買い物をし、楽天カードを使い、楽天銀行を利用しているなら、楽天証券一択と言っても過言ではありません。
楽天証券がおすすめの人
- 楽天カード・楽天市場・楽天銀行をよく利用する
- ポイント投資から始めてみたい
- シンプルで分かりやすい操作画面を好む
- 投資初心者で、とりあえず始めやすさを重視したい
私の相談者Gさん(20代会社員)は、楽天経済圏のヘビーユーザーで、毎月2万ポイント程度貯まる生活をしていました。そのポイントを楽天証券で投資に回すことで、実質的にリスクゼロで投資体験を積むことができ、現在では現金での投資も並行して行っています。
コスト最重視・本格的な投資ならSBI証券
手数料の安さ、商品の豊富さ、そして将来的な拡張性を重視するなら、SBI証券が最適です。
SBI証券がおすすめの人
- 手数料を1円でも安く抑えたい
- 将来的に米国株投資もしたい
- 複数のポイントサービスから選択したい
- ある程度投資に慣れてきた、または本格的に取り組みたい
私の相談者Hさん(30代公務員)は、最初は楽天証券でつみたてNISAを始めましたが、投資額が増えるにつれて手数料の違いが気になるようになり、SBI証券に移行されました。年間で約5,000円のコスト削減につながったそうです。
初心者の方へのアドバイス:失敗しない選び方
もしあなたが投資初心者で、どちらを選べばよいか迷っているなら、以下の質問に答えてみてください。
Q1. 普段、楽天のサービス(楽天市場、楽天カード、楽天銀行など)をよく利用しますか?
Yes → 楽天証券を強くおすすめします No → Q2へ
Q2. 投資額は月3万円以下の予定ですか?
Yes → 楽天証券(楽天カードの1%還元のメリットが大きい) No → Q3へ
Q3. とにかく手数料を安く抑えたいですか?
Yes → SBI証券 No → どちらでも大丈夫ですが、操作性を重視するなら楽天証券
NISA口座開設の流れ:実際にどう進めるの?
口座開設前の準備:用意するもの
NISA口座を開設するには、以下の書類が必要です。
必要書類
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- マイナンバーが確認できる書類
- 印鑑(シャチハタ不可)
SBI証券の口座開設手順
- SBI証券公式サイトから申し込み
- 「口座開設はこちら」をクリック
- メールアドレスを入力し、認証コードを取得
- お客様情報の入力
- 氏名、住所、電話番号などの基本情報を入力
- NISA口座の開設も同時に申し込み可能
- 本人確認書類のアップロード
- スマートフォンで撮影してアップロード
- 郵送での提出も可能
- 初期設定完了
- 約1週間で口座開設完了通知が届く
- ログインして初期設定を完了
楽天証券の口座開設手順
- 楽天証券公式サイトから申し込み
- 「口座開設」をクリック
- 楽天会員の場合は、楽天IDでログイン可能
- お客様情報の入力
- 楽天会員情報が自動入力される(楽天会員の場合)
- NISA口座開設も同時に申し込み
- 本人確認書類の提出
- オンラインアップロード、または郵送で提出
- 口座開設完了
- 約1週間で口座開設完了
- 楽天銀行口座がある場合は、マネーブリッジの設定を推奨
NISA口座開設時の注意点
1. NISA口座は1人1口座まで
NISA口座は、1人につき1つの金融機関でしか開設できません。後から変更することは可能ですが、手続きが複雑なので、最初の選択が重要です。
2. 口座開設には時間がかかる
NISA口座は税務署での確認作業があるため、通常の証券口座より開設に時間がかかります。一般的には2-3週間程度かかることが多いです。
3. 年の途中でも開設可能
「年の初めじゃないと開設できない」と思われがちですが、NISA口座はいつでも開設可能です。ただし、その年の非課税枠は開設した月からの利用となります。
つみたてNISAで選ぶべき投資信託:両社共通のおすすめ商品
NISA口座を開設したら、実際にどの商品を選べばよいのでしょうか。投資初心者の方におすすめの商品をご紹介します。
全世界株式型インデックスファンド
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 信託報酬:年0.1133%
- 投資先:全世界約2,900社
- 特徴:この1本で世界分散投資が完成
私が最も多くの初心者の方におすすめしている商品です。アメリカ、ヨーロッパ、日本、新興国まで幅広く分散されており、「投資先に迷ったらこの1本」と言えるオールマイティな商品です。
米国株式型インデックスファンド
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 信託報酬:年0.09372%
- 投資先:米国主要500社
- 特徴:世界経済の中心である米国に集中投資
Apple、Microsoft、Amazon、Googleなど、日本でも馴染みのある企業に投資できる人気商品です。過去の実績も優秀で、長期投資には最適な選択肢の一つです。
バランスファンド
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 信託報酬:年0.143%
- 投資先:国内外の株式・債券・REITに8等分投資
- 特徴:この1本で株式・債券・不動産に分散投資
「株式100%は怖い」という方におすすめの商品です。債券やREIT(不動産投資信託)も含まれているため、株式よりも値動きが穏やかになります。
投資初心者への商品選択アドバイス
投資を始めたばかりの方は、以下の順番で検討されることをおすすめします。
- まずは全世界株式(オール・カントリー)を検討
- 迷ったらこれ一択で十分
- 世界経済の成長に連動したリターンが期待できる
- リスクを抑えたい場合はバランスファンド
- 値動きの穏やかさを重視するなら
- 初回投資としては心理的な負担が軽い
- 慣れてきたら複数商品の組み合わせ
- 米国株式50%+全世界株式50%など
- より詳細な配分調整が可能
よくある質問と回答:初心者の不安を解消
Q1. SBI証券と楽天証券、どちらが倒産リスクが低いですか?
A1. 両社とも上場企業のグループ会社であり、倒産リスクは極めて低いと考えられます。また、万が一証券会社が破綻した場合でも、投資家の資産は「分別管理」によって保護されており、基本的には全額返還されます。さらに、日本投資者保護基金により1,000万円まで補償される仕組みもあります。
Q2. NISA口座は後から変更できますか?
A2. 可能です。ただし、変更には手続きが必要で、変更年の10月1日以降に変更手続きを行い、翌年から新しい金融機関でのNISA口座が利用可能になります。なお、変更しようとする年にすでにNISA口座で買付を行っている場合は、その年の変更はできません。
Q3. つみたてNISAで損をしてしまったらどうなりますか?
A3. つみたてNISAでも元本割れのリスクはあります。しかし、金融庁が選定した商品のみが対象となっており、比較的リスクが抑えられた商品が中心です。また、長期・積立・分散投資を前提とした制度設計のため、短期的な値下がりがあっても、20年という期間で見れば元本割れの可能性は大幅に低くなるとされています。
Q4. 楽天カードの積立投資、ポイント還元率が下がったら意味がないのでは?
A4. 確かにポイント還元率の変更リスクはありますが、仮に還元率が下がったとしても、楽天証券自体のサービス品質や商品ラインナップは優秀です。また、楽天経済圏での総合的なメリット(楽天銀行の金利優遇、楽天ポイント投資など)を考慮すると、依然として魅力的な選択肢と言えます。
Q5. 投資信託の信託報酬、どのくらいが適正ですか?
A5. インデックスファンド(指数連動型)の場合、年0.2%以下が適正水準と考えます。eMAXIS SlimシリーズやニッセイIndexシリーズなら年0.1%程度で、これは非常に優秀な水準です。アクティブファンド(積極運用型)でも年1.0%を超えるような商品は避けた方が賢明です。
Q6. 米国株投資もしたいのですが、初心者には難しいでしょうか?
A6. 米国個別株投資は為替リスクや企業分析が必要で、初心者には難しい面があります。しかし、米国株式インデックスファンド(S&P500連動など)を通じた米国投資なら、つみたてNISAでも可能で、初心者の方にもおすすめできます。個別株投資は投資信託に慣れてから挑戦されることをおすすめします。
Q7. 家計が苦しいのですが、無理してでも投資すべきでしょうか?
A7. 絶対におすすめしません。投資は余裕資金で行うことが鉄則です。まずは家計の見直しをして、月々1,000円でも貯金できる状況を作ることから始めましょう。生活防衛資金(生活費の3-6か月分)を貯めてから投資を検討することをおすすめします。
投資成功の秘訣:私が15年間で学んだこと
私の投資歴を振り返ると、成功と失敗を繰り返しながら学んだ大切な教訓があります。これから投資を始める皆さんに、ぜひお伝えしたいことをまとめました。
教訓1:時間を味方につける
20代の頃の私は、短期で大きなリターンを狙って個別株投資に手を出し、結果的に200万円の損失を被りました。しかし、30代からつみたてNISAを活用して20年間の長期投資を続けた結果、年平均5%の安定したリターンを得ることができました。
具体例:月3万円×20年間の威力
- 投資元本:720万円
- 年利5%で運用した場合の最終金額:約1,233万円
- 利益:513万円
この数字を見ると、「時間」がいかに大きな味方になるかがわかります。
教訓2:分散投資の重要性
以前の私は「日本の会社だから安心」と考え、日本株にのみ投資していました。しかし、2008年のリーマンショックで日本市場が大きく下落した際、分散投資をしていなかったために大きな損失を被りました。
現在は全世界株式インデックスファンドを中心に、世界約50か国、約2,900社に分散投資することで、特定の国や企業のリスクを軽減しています。
教訓3:感情に左右されない仕組み作り
人間は感情の生き物です。株価が下がると不安になり、上がると欲が出てきます。私も何度もこの感情に振り回されました。
しかし、つみたてNISAの自動積立を設定することで、感情に左右されることなく、機械的に投資を続けることができるようになりました。これが投資成功の最大の秘訣だと確信しています。
まとめ:あなたの投資人生の第一歩を踏み出そう
ここまで、SBI証券と楽天証券の詳細な比較をお伝えしてきました。最後に、改めて整理してお伝えします。
楽天証券を選ぶべき人
- 楽天経済圏のサービス(楽天市場、楽天カード、楽天銀行)をよく利用している
- ポイント投資から気軽に始めたい
- 投資初心者で、わかりやすい画面を重視したい
- 月5万円以下の投資予定で、楽天カード決済の1%還元を活用したい
SBI証券を選ぶべき人
- とにかく手数料を安く抑えたい
- 将来的に米国株投資も検討している
- 投資額が大きく、より多くの商品から選択したい
- 複数のポイントサービスから自分に合ったものを選びたい
どちらを選んでも、重要なのは「始めること」
私が15年間の投資経験で確信していることは、「完璧な証券会社選び」よりも「まず始めること」の方がはるかに重要だということです。
どちらの証券会社を選んでも、つみたてNISAの非課税メリットを享受でき、長期的な資産形成に大きく寄与します。悩んでいる時間があったら、まずは少額から始めてみることをおすすめします。
私からの最後のメッセージ
20代で大きな投資失敗をし、30代前半で借金を背負った私でも、正しい知識と継続的な取り組みで資産形成に成功することができました。
投資は「お金持ちだけのもの」でも「ギャンブル」でもありません。正しい知識と適切な商品選び、そして何より継続的な取り組みがあれば、普通の会社員でも確実に資産を築くことができます。
あなたの未来の生活が、今日の一歩から変わり始めます。まずは証券口座を開設し、月1,000円からでも構いません。つみたてNISAを始めてみてください。
10年後、20年後のあなたが、今日の決断に感謝する日が必ず来ます。
「将来への不安」を「希望に満ちた資産形成」に変える第一歩を、一緒に踏み出しましょう。
筆者プロフィール 田中 CFP・AFP認定ファイナンシャルプランナー 大手銀行で10年、証券会社で5年にわたり個人向け資産運用業務に従事。自身も20代で株式投資で200万円の損失、30代前半で借金200万円の経験を持つ。現在はつみたてNISAと企業型確定拠出年金を中心とした堅実な投資により、資産3,000万円を達成。「一人ひとりの価値観に合った資産形成」をモットーに、初心者向けの投資教育に力を入れている。