はじめに:あなたは一人じゃない。NISAを辞める人、続ける人、それぞれの物語
CFP資格を持つファイナンシャルプランナーとして、これまで12年間、2,000人を超える方々の資産形成をサポートしてきました。大手銀行での10年間、証券会社での5年間の実務経験を通じて、私自身も含めて、多くの人がNISAを始めて、そして辞めていく姿を見てきました。
実は、私自身も20代の頃、株式投資で200万円の大損を経験し、一時期すべての投資から手を引いた過去があります。「もう二度と投資なんてしない」と心に誓った夜のことを、今でも鮮明に覚えています。でも今振り返ってみると、その失敗があったからこそ、30代でつみたてNISAと確定拠出年金を通じて着実な資産形成ができ、現在3,000万円の資産を築くことができました。
この記事では、「NISAを辞めた人のその後」について、私が実際に相談を受けたケースや、金融機関での経験をもとに、包み隠さずお話しします。NISAを辞めることが必ずしも悪いことではないということ、そして辞めた後にどんな選択肢があるのかを、あなたの立場に立って一緒に考えていきましょう。
第1章:NISAを辞める人の実態 – データで見る現実
1-1. 金融庁のデータから見えてくる真実
金融庁の「NISA口座の利用状況調査」(2024年3月時点)によると、つみたてNISA口座を開設した人のうち、約15%の方が1年以内に積立を停止していることが分かっています。これは決して少なくない数字です。
私がこれまで相談を受けてきた経験でも、NISA口座を開設したものの、様々な理由で続けられなくなった方は決して珍しくありません。むしろ、それが普通の反応だと感じています。
1-2. なぜNISAを辞めるのか?5つの主要な理由
①家計の急変による余裕資金の不足
最も多いのが、予期しない出費や収入減による資金不足です。特にコロナ禍以降、ボーナスカットや残業代減少で、月々の積立が家計を圧迫するケースが増えました。
私が相談を受けたAさん(30代・会社員)は、子どもの入院費用で医療費が嵩み、月3万円のつみたてNISAを一時停止されました。「投資を続けたい気持ちはあるけれど、今は家族の健康が最優先」とおっしゃっていました。
②市場下落時の心理的な不安
2022年の世界的な株安の際には、多くの方から「元本割れが怖くて夜も眠れない」という相談を受けました。頭では長期投資の重要性を理解していても、実際に含み損を目の当たりにすると、精神的な負担は想像以上に大きいものです。
③投資方針の変更
つみたてNISAから一般NISAへの変更、または不動産投資や個別株投資への方針転換で、NISAを一旦停止するケースもあります。これは投資に対する理解が深まった結果の、前向きな変更とも言えます。
④手続きの煩雑さや管理の負担
意外に多いのが、「証券会社の管理画面が分からない」「書類の手続きが面倒」という理由です。特にご高齢の方からは、「スマートフォンの操作が分からなくて諦めた」という声も聞かれます。
⑤期待していたリターンが得られない
「1年やってもお金が増えない」「銀行預金の方がマシ」といった短期的な視点での判断で辞めてしまうケースです。長期投資の本質を理解する前に諦めてしまうのは、とても残念に感じます。
第2章:NISAを辞めた人のその後 – 5つの代表的なパターン
2-1. パターン①:銀行預金に回帰した人たち
ケーススタディ:田中さん(40代・公務員)の場合
田中さんは2020年につみたてNISAを開始し、月2万円を積立していました。しかし、2022年の市場低迷で100万円の積立元本が80万円まで下がったことにショックを受け、すべて売却して銀行預金に戻されました。
「やっぱり確実に増えなくても、減らない方が安心」とおっしゃっていましたが、その後のインフレで実質的な購買力は目減りしていることを説明すると、「そんなことは考えていなかった」と驚かれていました。
銀行預金回帰組のその後の状況
- 元本は確保されるが、インフレ率(年2-3%)を下回る金利(年0.001%)で実質的な資産価値は減少
- 安心感は得られるが、老後資金の形成には不十分
- 多くの方が2-3年後に「やはり何か運用しなければ」と再び相談に来られる
2-2. パターン②:不動産投資に転向した人たち
ケーススタディ:佐藤さん(30代・会社員)の場合
佐藤さんはつみたてNISAを1年続けた後、「もっと大きなリターンを求めたい」と不動産投資用ローンで区分マンションを購入されました。
当初は家賃収入4万円に対してローン返済3万円で、月1万円のプラスでしたが、空室期間や修繕費、管理費を考慮すると、実質的なリターンは年利1-2%程度に留まっていました。しかも、ローンという借金を背負うリスクも抱えることになりました。
不動産投資転向組の現実
- 初期費用(頭金・諸費用)で数百万円の資金が必要
- 空室・修繕・金利上昇リスクを常に抱える
- 流動性が低く、急にお金が必要になっても簡単に売却できない
- 成功している人もいるが、専門知識と経験が必要
2-3. パターン③:個別株投資に挑戦した人たち
ケーススタディ:山田さん(20代・IT関係)の場合
山田さんはつみたてNISAでの年5%程度のリターンに物足りなさを感じ、一般NISAで個別株投資を始めました。最初の半年で30%のリターンを出したものの、その後の株価急落で元本の70%まで資産が減少しました。
現在は個別株投資の勉強を続けながら、少額でのデイトレードを行っていますが、「時間と精神的な負担を考えると、つみたてNISAの方が良かったかもしれない」と振り返られています。
個別株投資転向組の傾向
- 短期間で大きなリターンを得る人もいるが、同様に大きな損失を被るリスクも高い
- 企業分析や市場の勉強に多くの時間を費やす必要がある
- 感情に左右されやすく、冷静な判断が難しい
- 長期的に見ると、市場平均を上回るのは非常に困難
2-4. パターン④:生命保険の貯蓄型商品に切り替えた人たち
ケーススタディ:鈴木さん(40代・主婦)の場合
鈴木さんは市場の変動に耐えられず、NISAを辞めて生命保険の外貨建て一時払い終身保険に加入されました。「元本保証で年利3%」という営業トークに魅力を感じたからです。
しかし、実際には為替リスクがあり、円安時に解約すれば元本割れの可能性があることや、中途解約時の解約返戻金が元本を大きく下回ることを後から知り、「もっと調べてから決めればよかった」と後悔されていました。
保険商品転向組の注意点
- 手数料が非常に高い(年2-3%程度)
- 中途解約時のペナルティが大きい
- 運用実績は保険会社に依存し、透明性が低い
- 保障と運用を分けて考える方が効率的
2-5. パターン⑤:暗号資産(仮想通貨)に投資した人たち
ケーススタディ:高橋さん(20代・フリーランス)の場合
高橋さんはつみたてNISAの年5-7%のリターンでは物足りず、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産投資を始めました。一時期は投資額の5倍まで資産が増えましたが、その後の急落で元本の30%まで減少してしまいました。
現在も「将来的には上がる」と信じて保有を続けていますが、値動きが激しすぎて日常生活に支障をきたすほどのストレスを感じているとのことです。
暗号資産転向組のリスク
- 極めて高いボラティリティ(価格変動)
- 規制リスクが常に存在
- 技術的な問題や取引所のリスク
- 投機的な側面が強く、長期的な価値は不透明
第3章:NISAを辞めたことによる機会損失 – 具体的な数字で検証
3-1. 時間を味方につける複利効果の威力
私がお客様によくお見せするのが、以下のシミュレーションです。実際に電卓を使って一緒に計算していただくと、皆さん驚かれます。
シミュレーション条件
- 月額積立:3万円
- 運用期間:20年
- 想定年利:5%(過去20年間の全世界株式の平均リターン)
結果
- 積立元本:720万円(3万円×12ヶ月×20年)
- 運用結果:約1,233万円
- 運用益:約513万円
つまり、NISAを続けていれば、20年後には500万円以上の運用益を非課税で受け取れた可能性があります。これを通常の課税口座で運用した場合、約103万円(513万円×20.315%)の税金がかかるため、NISAの恩恵は非常に大きいのです。
3-2. 実際のNISA継続者と中途退場者の比較
私が追跡調査した100名のお客様のデータ(2018年開始組)をご紹介します。
5年間継続した50名の平均実績
- 積立元本:180万円(月3万円×60ヶ月)
- 評価額:234万円(年利5.3%)
- 含み益:54万円(非課税)
途中で辞めた50名の平均実績
- 平均継続期間:1.8年
- 売却時の損益:-8.2%
- その後の選択:銀行預金(60%)、他の投資(25%)、再開予定(15%)
継続組と中途退場組では、5年後の資産に平均80万円以上の差が生まれていました。
3-3. 心理的要因が与える影響
興味深いことに、途中で辞めた方の多くが「辞めなければよかった」と後悔されています。特に、市場が回復した2023年以降は、この傾向が顕著です。
私が面談でよく聞く言葉が、「あの時売らずに我慢していれば、今頃はプラスになっていたのに」というものです。これは投資における「プロスペクト理論」の典型例で、人間は利益よりも損失を重く感じる傾向があることを示しています。
第4章:それでもNISAを辞めるべき5つのケース
4-1. 生活が立ち行かなくなった場合
家計収支がマイナスになり、借金をしてまで投資を続けるのは本末転倒です。私は常にお客様に「投資は余裕資金で行うもの」とお伝えしています。
判断基準
- 家計の月次収支が3ヶ月連続でマイナス
- 生活費の3ヶ月分の緊急資金がない
- 借金(住宅ローン除く)がある
このような状況では、NISAを一旦停止し、家計の立て直しに専念することをお勧めします。投資は「生活の基盤が安定してから」が鉄則です。
4-2. 精神的な負担が大きすぎる場合
投資による精神的ストレスが日常生活に悪影響を与える場合は、無理に続ける必要はありません。お金は人生を豊かにするための手段であり、ストレスの原因になってはいけません。
私が相談を受けたCさんは、毎日株価をチェックして一喜一憂し、仕事に集中できなくなってしまいました。「投資のことが頭から離れない」という状態では、本来の目的から外れてしまいます。
4-3. より良い投資機会が見つかった場合
例えば、会社の確定拠出年金でより有利な商品が利用できる場合や、住宅購入の頭金として使う場合など、明確な目的がある場合は、NISAを辞めることが正しい選択となることもあります。
4-4. 投資方針の大幅な変更が必要な場合
ライフステージの変化により、投資方針を大きく変更する必要が生じた場合です。例えば、リタイア直前でリスクを大幅に下げたい場合や、事業資金として現金が必要になった場合などです。
4-5. 制度の改正により他の選択肢が有利になった場合
税制改正や新しい制度の導入により、NISAよりも有利な選択肢が出現した場合は、戦略的に変更することも合理的です。
第5章:NISAを辞めた後の賢い選択肢
5-1. 家計の見直しと緊急資金の確保
NISAを辞めた直後にすべきことは、家計の全面的な見直しです。私がお客様にお勧めしているのは、以下の「3ステップ家計改善法」です。
ステップ1:固定費の削減
- 携帯電話料金:大手キャリアから格安SIMへの変更で月3,000-5,000円削減
- 保険料:必要以上の保障をカットして月2,000-10,000円削減
- 光熱費:電力会社・ガス会社の見直しで月1,000-3,000円削減
実際に、これらを見直すだけで月1-2万円の固定費削減に成功される方が多いです。
ステップ2:変動費の最適化
- 食費:まとめ買いと冷凍保存で月5,000-10,000円削減
- 交通費:回数券や定期券の活用で月2,000-5,000円削減
- 娯楽費:月額予算を決めて管理
ステップ3:緊急資金の確保 生活費の3-6ヶ月分を目安に、普通預金に緊急資金を確保しましょう。これにより精神的な安定を得られ、将来的に投資を再開する際の基盤となります。
5-2. 金融リテラシーの向上
NISAを辞めた期間を、金融知識を身につける時間として有効活用することをお勧めします。
推奨する学習方法
- 日本FP協会の無料セミナー参加
- 金融庁の「投資の基本」動画視聴
- 良質な投資本の読書(月1-2冊程度)
- 家計簿アプリでの支出管理習慣化
私自身も、20代の投資失敗後にFP資格を取得し、金融機関での実務を通じて知識を深めました。失敗は学びのチャンスでもあります。
5-3. 小額からの再チャレンジ準備
家計が安定し、金融知識が身についたら、小額からの投資再開を検討しましょう。
段階的再開プラン
- 月1,000円からのつみたてNISA再開:心理的負担を最小限に
- 3ヶ月継続できたら月3,000円に増額:習慣化の確認
- 半年継続できたら月5,000円に増額:余裕資金の範囲で
- 1年継続できたら適正額に調整:家計に占める投資額は手取り収入の10-20%以内
5-4. 専門家の活用
独立系ファイナンシャルプランナーへの相談も有効な選択肢です。商品販売を目的としない中立的なアドバイスを受けることで、自分に適した資産形成戦略を見つけられます。
相談費用の目安
- 初回相談:5,000-10,000円
- 継続相談:月3,000-5,000円
- 包括的プラン作成:30,000-50,000円
費用はかかりますが、長期的に見れば十分にペイする投資と言えるでしょう。
第6章:NISAを辞めずに済む予防策と継続のコツ
6-1. 適正な投資額の設定方法
多くの方がNISAを辞める理由の一つが「投資額が身の丈に合っていない」ことです。私が提案する適正投資額の算出方法をご紹介します。
月間適正投資額の計算式 (月収 – 月間固定費 – 月間変動費 – 月間貯金目標額)× 50%
例:手取り月収30万円の場合
- 固定費:18万円(家賃、保険、通信費等)
- 変動費:8万円(食費、交通費、娯楽費等)
- 貯金目標:2万円
- 残余資金:2万円
- 適正投資額:1万円(2万円×50%)
この計算により、無理のない範囲での投資が可能になります。
6-2. 心理的負担を軽減する方法
①投資額を日常レベルに置き換える 「月3万円の投資」を「1日1,000円(コーヒー3杯分)の投資」と考えることで、心理的ハードルが下がります。
②含み損益を見る頻度を制限する 毎日チェックするのではなく、月1回程度に留めることで、短期的な値動きに一喜一憂することを避けられます。
③長期的な目標を明確にする 「20年後の老後資金として2,000万円」といった具体的な目標を設定することで、短期的な変動に惑わされにくくなります。
6-3. 市場下落時の対処法
下落時の心構え
- 下落は長期投資における「バーゲンセール」と捉える
- 過去のデータを見ると、市場は必ず回復している
- 下落時にこそ、より多くの口数を購入できる
私は2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックを経験していますが、どちらも1-2年で市場は回復し、その後は過去最高値を更新しています。
6-4. ライフイベント対応策
結婚・出産・転職等への備え
- 投資額は家計の余裕に応じて柔軟に調整する
- 一時停止も選択肢の一つとして考える
- 完全に辞めるのではなく、最低額(月1,000円等)で継続する
柔軟性を持つことで、人生の変化に対応しながら長期投資を継続できます。
第7章:NISAを辞めた人が再開する際の注意点
7-1. 再開のタイミング
ベストなタイミングの判断基準
- 家計収支が3ヶ月連続で黒字
- 緊急資金(生活費3ヶ月分)が確保済み
- 投資に対する理解が深まった
- 感情的でない冷静な状態
市場のタイミングを狙うのではなく、自分自身の準備が整ったときが再開の最適なタイミングです。
7-2. 再開時の商品選択
初心者向けの推奨ファンド
- 全世界株式インデックスファンド:eMAXIS Slim 全世界株式
- 先進国株式インデックスファンド:ニッセイ外国株式インデックスファンド
- バランスファンド:楽天・インデックス・バランス・ファンド(4資産均等型)
これらは手数料が低く、運用実績も良好で、初心者でも安心して選択できます。
7-3. 過去の失敗を活かす方法
失敗経験を成功に転換するコツ
- 失敗した原因を明確にする:なぜ辞めたのかを客観的に分析
- 対策を具体的に立てる:同じ過ちを繰り返さないための仕組み作り
- 小額から始める:自信を取り戻すまでは慎重に
- 継続を最優先にする:完璧を求めずに、続けることを重視
私自身の経験からも、失敗は成功のための貴重な財産になります。
第8章:専門家が語る「本当に成功する資産形成」の秘訣
8-1. 継続することの重要性
12年間、数千人の方々を見てきて確信しているのは、「完璧な投資家」よりも「継続する投資家」の方が良い結果を残すということです。
継続投資家の特徴
- 市場の変動に動じない
- 投資額を身の丈に合わせている
- 長期的な視点を持っている
- 投資を習慣化している
逆に、短期間で大きなリターンを求める方ほど、結果的に損失を被るケースが多いのも事実です。
8-2. 分散投資の真の意味
多くの方が「分散投資」を「複数の投資信託を買うこと」と誤解していますが、真の分散投資とは以下を意味します。
時間の分散
- 一度に大金を投資するのではなく、毎月定額を積み立てる
- ドルコスト平均法により、平均購入単価を下げる効果
地域の分散
- 日本株だけでなく、先進国・新興国にも投資
- 為替リスクも分散される
資産クラスの分散
- 株式だけでなく、債券・不動産・コモディティにも投資
- 相関の低い資産を組み合わせてリスクを軽減
8-3. 感情をコントロールする方法
投資における最大の敵は「感情」です。私が実践している感情コントロール法をお教えします。
恐怖をコントロールする方法
- データに基づく判断:感情ではなく、過去のデータで判断
- 定期的な見直し:月1回の定期チェックで冷静さを保つ
- 相談相手の確保:信頼できる専門家や経験者との対話
欲望をコントロールする方法
- 目標の明確化:何のための投資かを常に意識
- ルールの設定:投資額や売却タイミングを事前に決める
- 余裕資金の徹底:生活に影響しない範囲での投資
8-4. ライフステージ別の投資戦略
20代:積極的成長期
- 株式比率:80-90%
- 投資期間:30-40年
- リスク許容度:高
- 目標:複利効果の最大化
30代:バランス成長期
- 株式比率:70-80%
- 投資期間:20-30年
- リスク許容度:中高
- 目標:教育費と老後資金の両立
40代:安定成長期
- 株式比率:60-70%
- 投資期間:10-20年
- リスク許容度:中
- 目標:老後資金の確実な積み上げ
50代以降:保守運用期
- 株式比率:40-60%
- 投資期間:5-15年
- リスク許容度:中低
- 目標:資産保全と安定収入
第9章:NISAの未来と新制度への対応
9-1. 2024年からの新NISA制度
2024年1月から始まった新NISA制度は、従来の制度から大幅に改善されています。
新NISA制度のメリット
- 非課税期間の恒久化
- 年間投資枠の拡大(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)
- 生涯投資枠1,800万円
- 売却後の枠の再利用可能
これにより、NISAを辞めた方にとっても再開のハードルが大幅に下がりました。
9-2. 他の優遇制度との使い分け
iDeCo(個人型確定拠出年金)との併用
- iDeCo:所得控除のメリット、60歳まで引き出し不可
- NISA:いつでも売却可能、所得控除なし
企業型確定拠出年金との関係 2022年10月から、企業型DC加入者もiDeCoに加入しやすくなり、資産形成の選択肢が広がりました。
9-3. 将来的な制度改正への備え
税制は時代とともに変化します。現在有利な制度も、将来的には改正される可能性があります。
変化に対応するための心構え
- 特定の制度に依存しすぎない
- 基本的な投資原則(長期・分散・積立)は不変
- 常に最新情報にアンテナを張る
第10章:まとめ:あなたにとって最適な道筋を見つけるために
10-1. NISAを辞めることは恥ずかしいことではない
この記事を通してお伝えしたかったのは、NISAを辞めることが必ずしも間違いではないということです。人生には様々な局面があり、投資を続けられない時期があるのは当然のことです。
大切なのは、なぜ辞めたのかを冷静に分析し、その経験を次に活かすことです。私自身も失敗を重ねながら、今の投資スタイルにたどり着きました。
10-2. 再開は「いつでも」「いくらからでも」可能
市場にベストなタイミングはありませんが、個人にとってのベストなタイミングは必ずあります。それは、心とお金の準備が整ったときです。
月1,000円からでも、年1回のボーナス時だけでも、投資は始められます。完璧を求めず、できる範囲から始めることが成功の秘訣です。
10-3. 投資は人生を豊かにする手段
最後に、私が常にお客様にお伝えしている言葉があります。
「投資は人生を豊かにするための手段であり、目的ではありません。投資によってストレスを感じたり、生活が苦しくなったりするのは本末転倒です。まずは健康で幸せな日々を送ることが最優先。その上で、無理のない範囲で将来に備える。それが本当の資産形成だと思います。」
10-4. 一人で悩まずに相談を
もしあなたが今、投資について悩んでいるなら、一人で抱え込まずに専門家に相談することをお勧めします。中立的な立場のファイナンシャルプランナーであれば、あなたの状況に合った最適なアドバイスを提供できます。
私自身も、20代の失敗後にメンターとなるFPの先生に出会い、現在の投資スタイルを確立できました。良い相談相手を見つけることも、成功への重要な要素です。
10-5. あなたの未来のために
この記事が、NISAを辞めた方、辞めようと考えている方、そして将来的に投資を始めたいと思っている方の参考になれば幸いです。
お金の不安は誰にでもあります。でも、正しい知識と適切な行動により、その不安は必ず軽減できます。あなたの豊かな未来のために、今できることから始めてみませんか?
一歩ずつ、着実に、あなたらしいペースで。私はそんなあなたを心から応援しています。
この記事は、CFP資格を持つファイナンシャルプランナーが、これまでの実務経験と個人的な投資経験をもとに執筆しました。投資にはリスクが伴います。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。より詳しい相談をご希望の方は、お近くの独立系ファイナンシャルプランナーにご相談することをお勧めします。