1. エグゼクティブ・サマリー
投資スタンス:中立、確信度65%
JSHは、社会課題解決をミッションに掲げた「地方創生事業」と「在宅医療事業」という、構造的に成長が見込める二つの事業を柱としています。今回の2026年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比で大幅増を達成した一方で、積極的な先行投資により営業利益が大幅な減益となりました。これは、足元の収益性を犠牲にしてでも、将来的な成長基盤を確立しようとする経営判断の表れであり、長期的な企業価値創造の観点から評価すべき側面と、短期的な株価の重しとなる側面の両方を持ち合わせています。 本レポートでは、この先行投資が計画通りに進捗しているか、そしてその投資が将来的に十分なリターンを生み出す蓋然性があるかを、徹底的に分析します。結論として、事業拡大は順調に進んでいると評価できますが、利益貢献までの道のりには不確実性が残るため、現時点では「中立」と判断します。
3行サマリー
- 何が起きたか: 地方創生事業における農園や在宅医療事業における訪問看護ステーションの積極的な拠点開設と採用活動により、売上高は前年同期比+12.7%と順調に拡大しました。しかし、先行投資負担が重くのしかかり、営業利益はほぼゼロにまで落ち込みました。
- なぜそれが重要か: 利益の犠牲は短期的な問題であり、より重要なのは、将来的な収益の源泉となる「拠点数」と「人材数」という成長ドライバーが計画通りに積み上がっているかです。今回の決算は、この成長戦略が順調に進んでいることを示唆しています。
- 次に何を見るべきか: 今後の四半期で、新規開設拠点が早期に稼働率を上げ、売上・利益に貢献し始めるか、そしてコスト増加率を上回るペースで売上が成長し、収益性の改善トレンドが見られるかが焦点となります。
主要カタリストとリスク
- ポジティブ・カタリスト
- 地方創生事業における新規農園の早期黒字化: 積極投資した新規農園が、計画を上回るペースで稼働率を上げ、早期に利益貢献を開始することで、通期計画の上方修正につながる可能性があります。
- 在宅医療事業の採算性改善: 訪問看護ステーションの新規開設に伴う初期コストがピークアウトし、看護師一人あたりの訪問件数が増加することで、セグメント利益率が改善する可能性があります。
- 法定雇用率の引き上げと市場の追い風: 2026年7月に法定雇用率が2.7%に引き上げられることで、障がい者雇用ニーズがさらに高まり、地方創生事業の売上高が急増する可能性があります 。
- ネガティブ・リスク
- 先行投資コストの継続的な超過: 計画以上に人件費や地代家賃が増加し、売上成長を上回るペースでコストが増加した場合、利益の回復が遅れるリスクがあります。
- 人材確保のボトルネック: 訪問看護師や農園管理者の採用が計画通りに進まず、新規拠点の稼働率が低迷した場合、投資回収が困難になるリスクがあります 。
- 法的・制度的リスク: 厚生労働省による「障がい者雇用ビジネス」に関する規制強化や、診療報酬制度の改定によって、事業モデルの前提が崩れるリスクがあります 。
2. 事業概要とビジネスモデルの深掘り
JSHは「地方創生事業」と「在宅医療事業」を二つの柱としています 。これらは一見異なる事業に見えますが、「社会課題の解決」という共通の企業理念のもと、互いに補完し合うユニークなビジネスモデルを形成しています。
地方創生事業:コルディアーレ農園 この事業は、法定雇用率の達成に課題を抱える都市部の企業と、地方に住む就労機会の少ない障がい者をつなぐプラットフォームです 。
- ビジネスモデルの数式: 売上高(地方創生事業) = (新規獲得企業数 × 平均ARPA) + (既存企業からの追加注文数 × ARPA) × 12ヶ月
- 強み(競争優位性):
- 低解約率とストック型収益: 月額課金によるリカーリング売上比率が約90%と高く、安定的な収益基盤を構築しています 。12ヵ月平均解約率も0.36%と非常に低く、一度獲得した顧客からの収益が長期的に継続するモデルです 。
- 充実したサポート体制: 訪問看護のノウハウを持つ看護師が農園に常駐し、障がい者の体調管理やメンタルケアを行うことで、高い職場定着率(精神障がい者の定着率76%)を実現しています 。これが競合に対する決定的な差別化要因となっています。
- 地方というブルーオーシャン: 大企業が都市部に集中している現状において、地方に住む障がい者の就労機会が限られているという社会課題を解決することで、先行者利益を享受しています 。
- 脆弱性:
- 法的規制リスク: 厚生労働省が「障がい者雇用ビジネス」の実態把握に乗り出すなど、事業モデルに対する否定的な風評や規制強化のリスクは無視できません 。
- 人材確保の依存度: 充実したサポート体制の維持には、専門知識を持つ看護師や管理者の確保が不可欠です。人材採用が計画通りに進まない場合、成長のボトルネックとなる可能性があります 。
在宅医療事業:訪問看護ステーション 精神科に特化した訪問看護サービスを提供しています 。精神疾患患者の増加や、医療費削減を目的とした入院医療から在宅医療への政策的な転換という市場環境を背景に成長を企図しています 。
- ビジネスモデルの数式: 売上高(在宅医療事業) = 利用者数 × 月間平均訪問件数 × 訪問単価 × 12ヶ月
- 強み(競争優位性):
- 精神科に特化した専門性: 精神科に特化することで、医療機関との強固なネットワークを構築し、新規利用者の安定的な獲得につなげています 。
- 事業間のシナジー: 地方創生事業で培った精神科医療のノウハウを在宅医療事業に活用するだけでなく、在宅医療事業で支援している精神障がい者に対して、地方創生事業の就労機会を提供することで、事業間のシナリー創出を図っています 。
- 脆弱性:
- 低い粗利率と利益率: 訪問看護事業は労働集約型であり、人件費がコストの大部分を占めます。粗利率が40%程度と地方創生事業に比べて低く、利益貢献には一定の規模の確保が必要です 。
- 診療報酬制度への依存: 収益の大部分が国が定める診療報酬に依存しており、改定リスクが存在します 。
競争環境 地方創生事業においては、LITALICOやCocorportといった大手企業やS-POOLの子会社など、競合が複数存在します 。しかし、JSHは「地方在住障がい者の雇用創出」という特定のニッチ市場と「充実したサポート体制」に特化することで、差別化を図っています 。在宅医療事業では、多数の訪問看護ステーションが存在しますが、精神科に特化し、かつ訪問診療コンサルティングという独自のサービスを組み合わせることで、優位性を確立しています 。
3. 【最重要】業績ハイライトと徹底的な財務分析
P/L分析
項目(単位:百万円) | FY25 Q1 実績 | FY24 Q1 実績 | 前年同期比(%) |
売上高 | 1,090 | 967 | +12.7% |
売上総利益 | 369 | 382 | -3.4% |
営業利益 | 2 | 145 | -98.6% |
経常利益 | 1 | 176 | -99.4% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | -12 | 12 | – |
営業利益のブリッジ分析 今回の決算の核心は、売上高の成長と利益の急減という二つの相反するトレンドです。このギャップを埋めるため、利益変動の要因を分解します。
項目(単位:百万円) | 金額 |
FY24 Q1 営業利益 | 145 |
① 売上高の増加による利益貢献 | +123(売上増加額1,090-967=123 × FY24粗利率39.5%※) |
② 粗利率の低下による利益減少 | -39(1,090 × (33.8% – 39.5%)) |
③ 販管費の増加による利益減少 | -227 |
FY25 Q1 営業利益 | 2 |
※ FY24Q1売上総利益382百万円 ÷ 売上高967百万円 = 39.5% | |
※ 販管費の増加:FY25 Q1 販管費366百万円 – FY24 Q1 販管費139百万円 = 227百万円 | |
(FY24Q1 販管費:売上総利益382百万円 – 営業利益145百万円 = 237百万円) |
考察: 売上高の増加(+123百万円)は利益にプラスに貢献したものの、それをはるかに上回る販管費の増加(-227百万円)が利益を押し下げたことが明らかです。また、粗利率も39.5%から33.8%へと大幅に低下しており、これも利益減少の要因となっています。 粗利率の低下は、利益率の低い「在宅医療事業」の売上構成比が高まったこと(FY24Q1の28.7%からFY25Q1の31.3%へ)が主因と考えられます。また、新規拠点の立ち上げに伴う初期費用(家賃、人件費等)が、売上が十分に立つ前から発生するため、一時的に粗利率を押し下げる構造的な要因も含まれます。
B/S分析 資産合計は前連結会計年度末から+289百万円増加し、3,271百万円となりました 。これは主に、熊本での新築農園建設に伴う建物及び構築物の増加(+560百万円)が要因です 。
一方、流動負債は減少(-50百万円)したものの、固定負債が大幅に増加(+334百万円)しており、これも熊本農園建設に伴う長期借入金の増加が主因です 。この積極的な設備投資が、財務レバレッジを高めていることがわかります。
キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)分析
- 売上債権回転日数(DSO): 売掛金及び契約資産 / 1日あたりの売上高 = 534百万円 / (1,090百万円 / 90日) = 44.0日 → 支払機関からの入金サイクルが安定しており、キャッシュフローの効率性に優れていることを示しています 。
- 棚卸資産回転日数(DIO): 商品・貯蔵品 / 1日あたりの売上原価 = (126千円 + 44千円) / (721百万円 / 90日) = 0.02日 → 在庫をほとんど持たないビジネスモデルであるため、棚卸資産の滞留リスクは極めて低いと評価できます 。
- 仕入債務回転日数(DPO): 買掛金 / 1日あたりの売上原価 = 3百万円 / (721百万円 / 90日) = 0.37日 → 買掛金の支払いは極めて迅速であり、資金繰り上の優位性は低いと見られます。
- CCC: 44.0日 + 0.02日 – 0.37日 = 43.65日 → 支払いよりも入金が遅れるため、運転資金を必要とします。しかし、在庫をほとんど持たないビジネスモデルのため、運転資本の最適化は主に売上債権の回収効率に依存します。
キャッシュフロー(C/F)分析 提供された決算短信には四半期連結キャッシュ・フロー計算書が含まれていません 。これは機関投資家にとって極めて重要な情報が欠落していることを意味します。そのため、P/LとB/Sから間接的に推測するしかありません。
営業利益が2百万円とほぼゼロであるにもかかわらず、減価償却費(45百万円)と無形固定資産償却額(2百万円)を加算すると、EBITDAは77百万円となります 。これは純利益との大きな乖離(アクルーアル)を生み出す要因であり、利益の質は見た目ほど悪くはないと判断できます。
資本効率性の評価
- ROIC (Return on Invested Capital): ROIC = NOPAT / 投下資本 NOPAT(税引き後営業利益)= 2.45百万円 × (1-0.34※) = 1.6百万円 投下資本 = 有利子負債 + 自己資本 = (176百万円+73百万円+402百万円) + 2,043百万円 = 2,694百万円 ROIC = 1.6百万円 / 2,694百万円 = 0.06% (年率換算 約0.24%) ※ 法人税率を約34%と仮定
- WACC (Weighted Average Cost of Capital): WACCは企業固有のリスクと財務構造によって異なりますが、一般的に2-4%程度と仮定します。
ROIC(0.24%)はWACC(仮定値)を大幅に下回っており、現時点では新たな投資が企業価値を創造しているとは言えない状況です。これは、積極的に設備投資と先行費用を投下している段階であるため、当然の結果です。重要なのは、これらの投資が将来的にROICをWACC以上に引き上げられるかという点です。
4. 【核心】セグメント情報の徹底解剖
地方創生事業:売上高は堅調、利益は安定 売上高は732百万円、セグメント利益は182百万円と、売上・利益ともに堅調に推移しています 。セグメント利益率は25.0%と高水準を維持しており、この事業がJSHの収益を牽引する柱であることが再確認されました。
利用企業数はFY24末から12社増加し、215社となりました 。既存企業からの区画追加も堅調であり、単価を示すARPAは1,064千円と100万円超を維持しています 。これは、顧客満足度が高く、アップセルが機能していることを示唆しています。
また、新規農園の開設も計画通りに進んでおり、第1四半期末時点で21農園に達しています 。これは旧業績予想の25農園に対しては若干の遅れですが、新業績予想の27農園に向けては順調な進捗と見られます。
在宅医療事業:積極投資による先行損失 売上高は341百万円と、前年同期の382百万円から減少しています 。一方で、セグメント損失は18百万円と赤字に転落しています 。これは、新規事業所の開設(5事業所+1営業所)や積極的な看護師採用に伴う先行投資が、売上を上回るペースで増加したためです 。
利用者数はFY24末の1,942人から、FY25Q1末時点で2,039人へと順調に増加しており、成長の基盤は着実に積み上がっています 。しかし、利用者数の増加がまだ利益に結びついていないのが現状です。これは、新規事業所の立ち上げ費用や、採用した看護師が十分に稼働するまでのタイムラグが影響していると考えられます。
ポートフォリオ・マネジメントの評価 JSHの事業ポートフォリオは、安定的な収益を稼ぐ「地方創生事業」と、将来的な成長の種を蒔く「在宅医療事業」という明確な役割分担がなされています。
- リスク分散: 在宅医療事業の赤字を、地方創生事業の利益で補うことで、全体としての利益はかろうじてプラスを維持しています 。これは、事業間のリスク分散が機能していることの証明です。
- シナジー創出: 経営陣は、在宅医療事業で培った精神科医療のノウハウを地方創生事業に活用することで、高い定着率を実現するというユニークなシナジー戦略を掲げています 。この戦略は、競合他社にはない強みであり、高く評価すべきです。
5. 経営計画の進捗と経営陣の評価
通期計画の進捗状況 会社は、2025年7月16日付で通期連結業績予想を修正しています 。修正後の通期計画は、売上高4,927百万円、営業利益△129百万円です 。
第1四半期の実績は、売上高1,090百万円(進捗率22.1%)、営業利益2百万円(通期計画比-)です 。売上高の進捗率は順調ですが、営業利益は通期で129百万円の赤字を計画している中、第1四半期でわずかながら黒字を確保しています。
これは、在宅医療事業の先行投資が計画通り、あるいは計画を上回るペースで進んでいることを示唆しています。経営陣は、目先の利益を追求するのではなく、将来的な成長を優先する「積極投資」の姿勢を明確にしています。これは、長期的な株主価値の最大化を目指す経営判断として妥当と評価できます。
需要予測能力と実行力 経営陣は、地方創生事業における農園数や在宅医療事業における訪問看護師数のKPIを修正しており、市場環境の変化や事業の進捗に合わせて柔軟に計画を調整していることがわかります 。
特に、地方創生事業のKPIである農園総区画数や障がい者受入数、在宅医療事業の看護師数や利用者数といった主要KPIが順調に積み上がっていることは、経営陣の実行力が高いことを示唆しています 。
6. 将来シナリオと株価のカタリスト/リスク
強気シナリオ:
- 前提条件: 地方創生事業における新規農園が計画を上回るペースで稼働率を上げ、在宅医療事業の新規拠点も早期に採算が改善。看護師の採用が順調に進み、人員不足のボトルネックが解消される。2026年7月の法定雇用率引き上げが追い風となり、企業からの需要が急増。
- 売上・利益予測レンジ: 売上高5,500~6,000百万円、営業利益50~100百万円
- カタリスト: 地方創生事業におけるARPAのさらなる上昇、在宅医療事業の新規事業所における採算性改善の早期発表、大型受注の獲得。
基本シナリオ:
- 前提条件: 経営計画は概ね順調に進捗。先行投資コストは計画通りに発生し、第2四半期以降も赤字が継続するが、徐々に赤字幅は縮小。地方創生事業の安定的な利益が、在宅医療事業の赤字を補填し、通期目標を達成する。
- 売上・利益予測レンジ: 売上高4,927百万円、営業利益△129百万円
- カタリスト: 特になし。投資家は通期計画の達成を冷静に評価する。
弱気シナリオ:
- 前提条件: 新規農園の稼働率が低迷し、投資回収が遅延。看護師の採用が難航し、新規拠点が十分に機能しない。厚生労働省による「障がい者雇用ビジネス」に対する規制が強化される。競合他社が同様のサービスを地方で展開し、価格競争が激化。
- 売上・利益予測レンジ: 売上高4,500~4,800百万円、営業利益△200~△300百万円
- カタリスト: 法定雇用率引き上げの延期や中止、人材流出の加速、新規拠点開設の遅延。
7. バリュエーション(企業価値評価)
相対評価法 現在、JSHは積極的な先行投資フェーズにあるため、PERやPBRといった利益ベースの指標はあまり有効ではありません。競合他社と比較する際には、売上高ベースのEV/Salesや、事業の成長性を示す売上高成長率に注目すべきです。
- EV/Sales: JSHのEVは、時価総額(仮)+有利子負債-現金預金で算出されます。現時点では利益が不安定なため、EV/Salesも高水準となりがちですが、JSHはストック型ビジネスモデルであり、安定したリカーリング収益を積み上げているため、高いEV/Salesで評価される余地があります。
- 競合他社比較: 競合のLITALICOやS-POOLも、同様に高いPERやPBRで評価されています。これは、社会課題解決型のビジネスモデルが、中長期的な成長性や安定性を持つと市場に認識されているためです。JSHも同様の文脈で評価される可能性があります。
絶対評価法 簡易的なDCF(Discounted Cash Flow)法で理論株価を試算する。
- 仮定:
- WACC: 3%
- 永久成長率(g): 2%
- 今後のフリー・キャッシュ・フロー(FCF)は、将来の利益成長を見込んで徐々に増加すると仮定。
- 2026年3月期のFCFを、営業キャッシュフロー(EBITDA-運転資本増加額)から投資キャッシュフローを差し引いた額と仮定し、暫定的にゼロと仮定します。
現時点では積極投資フェーズのため、FCFはマイナス、またはゼロ近辺となることが予想されます。このため、伝統的なDCF法では、理論株価を算出しても非常に低い値となり、実態を反映しません。 重要なのは、先行投資が実を結び、いつからFCFがプラスに転じ、その成長率がどの程度になるかという「将来のシナリオ」です。投資家は、このシナリオを自ら描き、その蓋然性を評価することが不可欠です。
8. 総括と投資家への提言
総括 JSHは、市場の追い風と高い競争優位性を持つユニークなビジネスモデルを構築しています。今回の決算は、短期的な利益を犠牲にしてでも、将来の成長のために必要な投資を惜しまないという経営陣の明確な意思を示しました。この判断は、長期的な観点から見れば非常に合理的です。 最大の懸念は、積極的な投資が計画通りに回収できるかという点です。特に在宅医療事業は、新規拠点開設と看護師採用という二つのボトルネックを抱えており、これらが収益化に結びつくまでのタイムラグが不確実性を生んでいます。
投資スタンス 現時点では、短期的な利益の変動が大きいため「中立」と判断しますが、将来的な成長シナリオが明確になれば、「強気」にスタンスを転換する可能性を秘めています。
注視すべき最重要KPIとイベント
- 四半期ごとのセグメント別利益率の推移: 特に在宅医療事業のセグメント利益率が、赤字幅を縮小し、最終的に黒字に転換するタイミングを注視すべきです。
- 新規開設拠点の稼働率: 新規に開設された農園や訪問看護ステーションが、計画通りに利用者数や企業数を増やしているかを継続的に監視します。
- 看護師と管理者の採用進捗: 人材の確保がボトルネックとなるリスクがあるため、四半期ごとの従業員数(特に有資格者)の増減は極めて重要な指標となります 。