「純金積立」という言葉、最近耳にすることが増えましたよね。実際、これは資産を「金」に変えて少しずつ増やしていく方法を指します。
多くの方が少ない金額からスタートできるため、長期間にわたる運用にぴったりとされています。それ故、初めての投資を考えている方や、既に資産運用をしている方の関心を引きつけています。
このテキストでは、純金積立の良い点や気をつけるべき点、そしてどんな方に特におすすめなのかを、丁寧にお伝えします。
純金積立とは何か?
純金積立、それは「金」を中心とする積み立ての仕組みを持つ金融商品です。
金は、私たちが日常で見るアクセサリーや多くの工業製品にも使われる貴重な素材です。そして、株や債券などとは異なり、それ自体が価値を持っています。
金の存在量は限られており、人間が作り出すことができないため、この稀少性が金の価格を上昇させています。
また、どこでもほぼ同じ価格で取引が可能なため、多くの投資家から信頼を得ています。
他の金融商品と比べて、金はその存在自体が価値を持っているため、価格が大きく下がるリスクも少ないと言えます。
金の価格は「米ドル/1トロイオンス」という単位で示されるのが一般的です。
ここで、「トロイオンス」とは、金や他の貴金属の重さを示すための単位で、具体的には1トロイオンス=31.1034768グラムとなります。 毎月の定期的な金の購入方法 純金積立は、文字通りの金の塊を直接買うのではなく、現物としての金に投資をする方法です。
購入した金は専門の管理会社が保管してくれるので、自ら保管場所を探したり、盗難のリスクを心配する必要はありません。
具体的な積み立て方法としては、月々の出費を設定する「定額積立」や、購入する金の量を設定する「定量積立」が考えられます。
一度設定を済ませれば、自動で資金が積み立てられるので、手間をかけずに投資を続けることができます。
もちろん、購入時の価格よりも高く売れれば利益となりますが、価格が下がるリスクも忘れてはいけません。
純度による金と純金の違いについて
金という言葉は、実は純度によって名前が変わります。
金の純度は、通常24分率で表現され、純度99.9%以上のものを「純金」と呼びます。また、24金(K24)とも呼ばれます。
例えば、多くのアクセサリーで使用される18金(K18)は、純度が18/24、つまり75%となります。
この75%が金であり、残りの25%は他の金属、例えば銀やパラジウムなどで成り立っています。
金は純度が高まると柔らかくなる性質があり、他の金属を混ぜることで、より扱いやすくしています。
アクセサリーの価格は、純度だけでなくブランドやデザイン、色など様々な要因によって決まります。
一方、投資としての純金積立では、純度が高ければその価値も高まるということを覚えておくと良いでしょう。
純金積立の利点について
純金積立の利点について、具体的にお伝えいたします。
手頃な価格から始められる
純金積立には、1,000円から始めることができるアクセスしやすい特徴があります。毎月一定の日に指定の額を積み立てる方法のほか、好きなタイミングでの購入、いわゆるスポット購入も選択可能です。このように、自分の経済状況や予算に合わせて、計画的に進めることができます。オンラインで購入できる業者も増えており、手間をかけずに始められるのが魅力の一つです。
均一な購入単価の確保
一定の金額を毎月分けて、金を購入することで、「ドル・コスト平均法」という投資法を利用することができます。この手法は、価格が変動する商品に対し、定額での購入を続ける方法です。例えば、毎月10,000円で金を購入した場合、金の価格が低いときは多くの量を、高いときは少ない量を購入することとなります。これにより、平均的な購入価格を維持し、価格の変動によるリスクを減少させることができます。
長期保有に最適
金の市場価格は、株などに比べ、短期間での価格変動が少ないのが特色です。そのため、長期的な視点での保有が推奨されます。例えば、田中貴金属工業のデータによれば、過去10年間で金の価格は約1.8倍に増加しています。この動きは、過去のデータを基にしたものであり、未来の動きを予測するものではありませんが、金はその特性上、大きな価格の下落が少なく、安定的に投資を進めることが可能です。
直接の管理が不要
純金積立の場合、金そのものを自らの手で保持する必要はありません。購入は証券会社や銀行、地金販売業者などを介して行われるため、盗難のリスクや保管の手間を気にすることなく安心して運用することができます。
現物として受け取れるメリット
累積した純金は、ある程度の量になれば「現物転換請求」を通じて手元に持つことができます。現物として保有したい方にも、この特徴は大変魅力的です。例えば、SBI証券を使用すれば、いくつかの手続きを経て、金の現物を自宅に届けてもらうことができます。ただし、業者によっては手続きの内容が異なる場合があるので、注意が必要です。
不況や金融危機時の安定性
株や債券は、企業の業績や経済状況により価格が大きく変動することがありますが、純金はそのような影響を受けにくい性質を持っています。特に、経済が不安定な時期や金融危機時には、投資家が安全資産として金に移行する傾向があります。金はその実物としての価値から、インフレーションや株価の大きな下落時にも、安定した資産としての特性を持っています。
このように、純金積立は多くの利点を持っており、多様な投資方法の中で、独自の魅力を持つものと言えるでしょう。
純金積立のデメリット
純金積立は、多くの魅力的な点を持ちつつも、考慮すべきポイントやデメリットも存在します。これらをしっかりと理解し、投資を進める際の選択に役立ててください。
手数料や年会費がかかる
純金積立の取引には、多くの場合手数料がかかります。特に、株式取引などと比較して、手数料が高い傾向にあることが多いです。また、金を現物として保管する場合、年会費や保管費用がかかることもあります。これらの費用を考慮せずに取引を行うと、想定以上のコストがかかってしまい、利益が思うように出ないことも考えられます。
配当や利息がない
多くの金融商品、特に株式などは、定期的に配当が支払われることがあります。これにより、所持しているだけで収益が得られるというメリットがあります。しかし、金そのものには配当や利息が存在しないため、価格の上昇を待つ以外に収益を上げる方法が存在しません。
短期的な売買には向いていない
金の価格変動は、他の金融商品と比較すると緩やかです。そのため、短期間での大きな利益を狙うのは難しいと言えます。金の取引を行う際は、中長期の視点での投資を考えることが重要です。
リアルタイムでの取引が難しい
金の価格はリアルタイムで変動しますが、純金積立の場合、リアルタイムでの取引が難しいことがあります。これは、提供する業者によって価格が固定されているため、瞬時の取引が難しいという特性があるためです。
損失のリスク
純金積立も、他の投資と同じく、損失のリスクがあります。金の価格が下がると、資産の価値も下がってしまうことになります。特に、短期間での価格の変動に対して過度に期待を持たないこと、また、損失を避けるためのリスクヘッジとしての役割を理解して取引を行うことが重要です。
純金積立は、その特性を理解し、長期的な視点で取引を行うことが重要です。また、手数料や保管費用などのコストを考慮し、適切な投資計画を立てることで、より効果的な投資を行うことができます。
純金積立がおすすめな方
多くの投資方法が存在する中で、純金積立は以下のような特徴を持っている方におすすめの方法です。
長期的な視点を持つ方
金は短期的な価格変動は比較的緩やかですが、長期的には価格が上昇する傾向があります。そのため、10年、20年という長い目での投資を考えている方に向いています。
経済的な変動から自分の資産を守りたい方
歴史的にみて、経済的な不安や不況の時期には金への投資が増える傾向があります。このため、経済の変動から資産を保護したい方には金積立が適しています。
物理的な資産を持ちたい方
金積立では実際の金を保有することができます。紙の通貨や電子マネーとは異なり、物理的な存在として持つことの安心感を求める方におすすめです。
純金積立はやめとけと言われる理由
純金積立には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。以下のような理由で純金積立をやめた方がいいと言われることがあります。
資産の流動性を求める方
金を実物として保有する場合、売却時に手間や時間がかかることがあります。このため、短期的な資金の出入りが多い方や、すぐに資産を現金化したいと考えている方には向いていません。
高いリターンを求める方
金の価格は長期的に上昇する傾向がありますが、株式など他の投資方法に比べて期待されるリターンは低めです。高いリターンを追求する方には他の投資方法が向いているかもしれません。
金投資のリスクを理解していない方
金投資も他の投資同様にリスクが伴います。金価格の変動リスクや保管に関するリスクなど、十分なリスクの理解と対策が必要です。
純金積立におけるポイント
純金積立を考える際、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
継続性
純金積立の魅力の一つは、毎月の継続的な投資により、短期的な価格の変動の影響を平均化することができる点です。これにより、高値で購入した際のリスクを低減することができます。
安定した資産の形成
金は伝統的に安定した資産としての価値を有しています。経済的な不安定さや通貨のインフレリスクから自身の資産を守る手段として、純金積立は適しています。
長期的な視野
短期間での売買を目的とするのではなく、長期的な資産形成や将来の資産継承を考える方におすすめです。金の価値は長期的には上昇する傾向があるため、焦らず安定した投資を続けることが重要です。
最後に:純金積立で安定した資産を築こう
純金積立は、金の持つ安定性を活かした資産形成を目指す方法として多くの投資家から選ばれています。
その一方で、すべての資産を金に依存させるのではなく、他の資産クラスと組み合わせることで、よりバランスの良いポートフォリオを作ることがおすすめです。
毎月の一定額の積み立てによって、無理なく、かつ継続的に資産を増やすことが期待できます。あなたの資産運用戦略の一部として、純金積立を取り入れてみてはいかがでしょうか。