積立貯金とは、定期的に少しの額を自動的に貯蓄するシステムで、手間をかけずに資産を増やしたい方や、大きな金額を一度に貯めるのが難しい方に向いています。
大量の資金をまとめて保管する方法である定期預金とは異なり、積立貯金は少しの金額からスタートすることができるのが特長です。
この内容を中心に、積立貯金の強みや気を付ける点、さらには積立貯金を始めるのにおすすめの銀行口座をいくつか紹介していきます。
積立貯金に関する情報を探している方、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
毎月の積み立てで資産を増やす!積立貯金の特徴とその魅力、及び定期預金との比較について
積立貯金は、設定した日に自動で指定金額が口座への移動が行われる貯蓄スタイルです。
収入が手元に残る前に、事前に決めた金額を貯蓄口座へ移動させることで、使えるお金を意識的に減らし、資産を増やしていくアプローチをとります。
このようなシステムは、資産形成に取り組む際のモチベーションを維持しやすくするため、貯金に不慣れな方にもオススメとされています。
積立貯金のポイント 通常、積立貯金の場合、毎月の指定日に、設定した金額が自動的に積み立てられます。例として「毎月15日に4万円」というように、一定の金額を自動転送する形が基本ですが、特別な月に追加での入金や、任意での増額も可能です。
多くの金融機関で、積立貯金の金利はやや低めに設定されているものの、その反面、出金や解約の際の条件が緩やかで、取引の自由度が高いという特徴があります。
積立貯金の効果 給与が入った直後に、設定した金額を自動的に別の口座に移動させることで、給与の中から最初に貯蓄分を確保することができます。これにより、自動的に資産が増加していく仕組みとなり、貯金の習慣を身につけやすくなります。
積立貯金と定期預金の相違点 積立貯金と定期預金は異なる貯金の形態を持ちます。以下に、それぞれの特徴を簡潔に比較しています。
- 比較のポイント | 積立貯金 | 定期預金
- 預け入れ期間 | 期間固定なしまたは最長20年 | 1ヶ月から10年程度
- 預入れの方式 | 定期的に少額を積み立て | 一括で大きな金額を預入れ
- 金利の高さ | 一般的に低め | やや高め
- 途中解約の条件 | 比較的自由 | 基本的には不可(途中解約時に金利減少)
定期預金の場合、事前に設定した期間が満了するまで原則として引き出しはできません。解約が必要な場合は、ペナルティとして特定の金利が適用されることも。
対照的に、積立貯金は自由度が高く、資産の増減を柔軟に対応できる利点があります。初めての資産形成を考える方に、積立貯金は特に推奨される方法となっています。
さらに、一部の金融機関では、積立と定期の特徴を融合した「積立定期預金」という選択肢も提供されています。
積立貯金におすすめの方法
積み立て型の貯金手段は多岐にわたり、その中で一体どの方法が自分のライフスタイルや目的に合っているのかを知ることが大切です。
積立定期預金 積立定期預金は一定額を毎月預金し、利息をつけてくれる方法です。ターゲットとなる金額を持ち、それに向けて計画的に貯金を行いたい方に最適です。
財形貯蓄 給与やボーナスから直接、指定の金額が引き落とされる方式。税制上のメリットや利率が高めであることが特徴。ただし、すべての会社で導入されているわけではないため、確認が必要です。
社内預金 企業が福利厚生の一環として提供する貯蓄制度。多くの場合、金利が通常の銀行よりも有利ですが、企業の財務健全性によってはリスクが伴うことも。
持株会 従業員が自社の株を購入できる制度。配当や株価上昇の恩恵を受けられる一方、業績悪化による株価の下落リスクも。投資としての視点が必要です。
投信積立 投資信託を用いて資産運用を行いながら、同時に定期的にお金を積み立てる方法。市場の動向により元本が減少する可能性もあるため、リスクを理解して利用することが大切。
これらの積み立て型貯金手段は、それぞれ特徴やリスクが異なります。自分の目的、リスク許容度、期間などを明確にし、適切な方法を選択することで、効果的な資産形成が期待で
積立貯金のメリット
将来的な目標が立てやすい 積立貯金には、毎月一定の金額を積み立てるため、どれだけの期間でいくら貯まるのかを計算することが容易です。例えば、毎月1万円を積立てる場合、1年で12万円、10年で120万円というようにシンプルに計算できます。
このような計算のしやすさが、将来の目標設定やライフプランの策定に役立ちます。大きな目標を持っている方や、特定の時期に必要となる資金の計画を立てたい方には、積立貯金がおすすめです。
子どもの教育費や結婚資金、老後資金など、具体的な目標がある場合に、積立貯金を活用することで計画的に資産形成を進めることができます。
積立金額の変更が可能 多くの積立貯金プランでは、途中で積立金額を変更することが可能です。収入が増えた場合や、生活費が変動した場合など、さまざまなライフイベントに応じて積立金額を調整することができます。
このような柔軟性があるため、ライフスタイルの変化に柔軟に対応しつつ、資産形成を続けることができるのです。一度積立額を決めたからといって、そのまま固定されるわけではないので、自分の生活環境やニーズに合わせて適切に調整することができます。
お金の意識が高まる 積立貯金を始めることで、自らの資産状況や将来の目標に対する意識が高まるというメリットもあります。毎月の積立が始まると、お金に対する関心や理解が深まり、より計画的な資産運用や節約につながることが期待できます。
このように、積立貯金は少額から始めることができるだけでなく、多くのメリットを享受することができる貯蓄方法です。安定した将来を迎えるために、ぜひ積立貯金を始めてみてください。
積立貯金のデメリット
引き出しに制限がある場合がある 積立貯金の特定のプランや銀行によっては、契約期間中に自由にお金を引き出すことができない制限が設けられている場合があります。一定期間内の早期解約や一部引き出しを行うと、ペナルティとして金利の一部が減少することも。このような制約は、積立貯金の特性上、積み立てる目的を達成するために設けられていることが多いです。
しかし、突然の出費や急な資金調達が必要となった際に、これらの制限によって資金を引き出せないというデメリットが生じる可能性も。積立貯金を選ぶ際には、このような制約を確認し、自身の資金ニーズに合わせて選択することが必要です。
利息がつかない月もある 積立貯金のシステム上、毎月定額を積み立てるため、初めての積立が月の終わり近くであった場合など、その月の利息がつかないことがあります。また、毎月の積立日が固定されている場合、金利の計算が月の途中から始まるため、フルの月数分の利息がつかないことも。
このような仕組みにより、少ないながらも利益の機会損失が発生する可能性があります。毎月の積み立て日や利息の計算方法を事前に確認することで、このような機会損失を最小限に抑えることができます。
長期間の積み立てが必要 積立貯金の目的は、長期間にわたって少しずつお金を貯めていくことです。そのため、短期間で大きな利益を求める方には向いていないと言えるでしょう。短期的な資産運用を目的とする場合、他の金融商品の検討も必要になるかと思います。
積立貯金は安定してお金を貯めることができる一方、上記のようなデメリットもあります。自身のライフプランや資金運用の目的に合わせて、適切な選択を行うことが大切です。
積立貯金におすすめの銀行4選
積立貯金は、定期的に一定の金額を積み立てていくことで、将来的な大きな目標や予期せぬ出費に備える方法として人気があります。以下は、積立貯金におすすめの銀行4選についての詳細な解説です。
- イオン銀行
- 特徴:イオン銀行の「積立式定期預金」は、低額から始められる点や、年6回の増額が可能な点が特徴。
- 金利:2022年10月時点での金利は0.01%となっており、普通預金に比べて高い。
- 楽天銀行
- 特徴:楽天銀行は、増額設定オプションや、楽天カードの引き落とし口座として利用することでの特典金利があります。
- 金利:基本の金利は0.02%で、楽天カードの利用やマネーブリッジの利用で、さらに金利アップが可能。
- ソニー銀行
- 特徴:積立金額や積立日の自由度が高く、他行からの振替も手数料無料で行える「おまかせ入金サービス」が利用できます。
- 金利:2022年10月21日時点で、積み立て定期預金の金利は1年もの・2年もの・3年もので0.02%。
- SBJ銀行
- 特徴:「ベスト積金」サービスでは、目標額に応じて積立金額や期間を設定できます。
- 金利:金利は期間によって異なり、5年ものでは0.15%と比較的高め。
積立貯金を行う際には、自分の目標や預入れ期間、金額に合わせて銀行を選ぶことが重要です。上記の銀行は積立貯金におすすめの一例として挙げられるものの、最終的な選択は各人のニーズや目的に合わせて行うと良いでしょう。
積立NISAやiDeCoもおすすめ
積立貯金を行う方法として、定期的に一定の金額を預金するだけでなく、積立NISAやiDeCoのような運用型の制度もあります。これらの制度は、資産の増加を目指す際に、税制の優遇を受けられる点が魅力です。以下に、それぞれの制度の特徴と利点を詳しく解説します。
- 積立NISA
- 特徴:少額投資非課税制度で、毎年40万円までの投資の運用益が最長20年間非課税となる。
- 税制面のメリット:通常、投資信託や株の売却益や配当には20.315%の税金がかかるが、この制度を利用することで非課税になる。
- 対象商品:金融庁によって選定された一定の投資信託のみ。
- おすすめする人:税制の優遇を享受しながら、将来に向けて資産を増やしていきたい方。
- iDeCo(イデコ)
- 特徴:個人型確定拠出年金で、公的年金の上乗せとしての私的年金制度。
- 運用:自分で選んだ運用商品に毎月掛金を積立て、60歳以降に年金または一時金として受け取る。
- 掛金:月々5,000円から1,000円単位での積立が可能。ただし、拠出上限が存在。
- 税制面のメリット:運用益が非課税で、掛金の拠出や受取りの際にも税制上の優遇が受けられる。
- デメリット:原則として60歳まで途中解約や資金の引き出しができない。
積立貯金を選ぶ際には、自身の目的やリスク許容度、将来の計画に合わせて最適な制度を選択することが大切です。NISAやiDeCoは投資の要素が含まれているため、リスクを理解した上で利用することが必要です。
積立貯金で将来に備えよう
積立貯金は、収入を得るたびに自動的に一定の金額を貯金することで、継続的な資産形成をサポートする手法として注目されています。この方法の一番の魅力は、定期的に一定の金額を確保することで、無意識のうちに資産が積み重なっていく点にあります。
- 積立貯金の特徴
- 先取り方式:収入が入ると同時に貯金することで、貯金を意識せずとも資産が増えていく。
- 無意識の貯蓄:毎月の支出を考慮した上で、自動的に貯金が進むため、日々の生活に大きな変動を感じることなく貯蓄が増加します。
- 限界と課題
- 単なる貯蓄:積立貯金は資産を「貯める」のには効果的ですが、「増やす」ための具体的な手段ではありません。
- 運用の視点:単にお金を貯めるだけでなく、その貯蓄をどのように運用して資産を増やしていくかを考える必要があります。
- 将来への投資
- 資産運用:積立貯金を基盤として、さらなる資産の成長を目指すためには、適切な運用方法の選定やリスク管理が必要です。
- 多様な選択肢:定期預金、投資信託、NISA、iDeCoなど、様々な貯蓄・運用方法がありますので、自身の目的やライフプランに合わせて最適な選択をすることが大切です。
結論として、積立貯金は安定的な資産形成の一手段ですが、それだけで満足せず、さらに資産を増やすための戦略を検討することが、より良い将来の資産形成に繋がります。