楽天銀行は、日本国内で非常によく知られた電子商取引プラットフォーム「楽天市場」を展開する、楽天グループが提供するオンラインバンキングサービスとして位置付けられています。
このオンラインバンクは多岐にわたる顧客層に利用されており、2023年の半ばにはその口座数が1,400万を優に超える規模に達しました。
ここでは、数多くの顧客から支持される楽天銀行の強みと弱みについて、丁寧に説明を加えていきたいと思います。
もし楽天銀行で口座を開設することをお考えでしたら、是非ともこの内容を最後までご覧になって、検討材料の一助にしてください。
楽天銀行の概要
楽天銀行は、その前身であるイーバンク銀行を含めると、約20年の実績を誇るオンラインバンキングのパイオニアです。
このオンラインバンクは1,400万以上の口座を持つ巨大な顧客基盤を有し、PayPay銀行や住信SBIネット銀行といった他の競合を凌駕し、ネット銀行セクターにおいては随一の口座数を誇っています。2023年8月末現在で、その預金総額はおよそ9兆円に達しているのです。
「ポイントが貯まりやすい」「通帳が不要であるため手間がかからない」「魅力的な特典の提供」といった、利用者からの好意的な評判が寄せられています。
また、企業向けのサービスについても、東京商工リサーチが行った「ネット銀行メインバンクに関する調査」において、「2023年のメイン取引社数」で業界トップに輝くなど、法人顧客からも広範な支持を受けており、そのユーザー層は個人利用者にとどまらない広がりを見せています。
以上の情報を踏まえ、楽天銀行という金融機関がいかにして様々な面でユーザーからの信頼を集めているのか、その特徴を明らかにしていきたいと考えています。
楽天銀行の主要な利点6選
楽天銀行を利用する最大の長所は、楽天銀行や楽天グループの提供する各種サービスの使用頻度に応じて様々な特典が受けられることです。
以下に、主な6つの利点をさらに掘り下げてご紹介いたします。
また、普通の預金だけでは不安と感じる方のために、NISAやiDeCoといった資産形成のための制度も備わっております。無料のご相談も承っておりますので、気軽にお問い合わせくださいね。
メリット1: ハッピープログラムによる手数料の削減
「ハッピープログラム」とは、楽天銀行の顧客を対象にした特別な優待制度です。
このプログラムにエントリーすることで、以下のような特典を享受することができます。
ハッピープログラムの主な特典: ・月最大7回までATM使用手数料無料 ・月最大3回まで振込手数料無料 ・楽天ポイントを振込手数料に充てられる
さらに、利用者は預金残高や取引の頻度に応じて、5つの会員ステージに分類されます。
会員ステージに応じた特典: 各ステージによって無料で利用できる回数などの優待内容が変わりますので、できるだけ高いステージを目指してより一層のメリットを得ることをお勧めします。
ATM利用手数料の節約: ハッピープログラムを通じて、ATMで発生する手数料が毎月最大7回まで無料になります。ただし、この無料回数は会員ステージによって異なります。
ATM手数料の無料回数と会員ステージ: 会員ステージが上昇するとともに、ATMでの手数料無料回数も増加します。ATM手数料は少額でも頻繁に利用すると大きな金額になるため、節約したい一項目です。
ATMを頻繁に使う方は、会員ステージの上昇を目指すことが望ましいです。
振込手数料の削減: 他行への振込手数料も、ハッピープログラムのおかげで優遇されます。会員ステージごとの無料振込回数は以下の通りです。
他行振込手数料の無料回数と会員ステージ: 会員ステージが上昇するとともに、他行振込手数料の無料回数も増えます。
楽天ポイントの活用: ハッピープログラムを利用することで、楽天ポイントを1ポイント=1円として振込手数料に使用できるようになります。
メリット2: マネーブリッジによる金利優遇の提供
「マネーブリッジ」とは、楽天銀行と楽天証券の口座をリンクさせる無料サービスです。
楽天銀行と楽天証券の口座を併用している際に必要な資金移動を容易にします。
例えば、楽天銀行で日常的な資金運用を行い、余剰資金を楽天証券で投資したい場合、入金手続きが簡単になります。
マネーブリッジを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
金利優遇の利点: マネーブリッジに登録すると、普通預金において最大年0.10%の優遇金利を享受できます。これは楽天銀行の普通預金金利と比較して大幅に高い金利です。
例えば、200万円を1年間楽天銀行に預けた場合、通常の金利とマネーブリッジ利用時の金利を比較してみましょう。
他の大手銀行と比べても、この金利の高さは大きな魅力です。
しかし、優遇金利の適用可能な残高には上限があることに注意が必要です。
普通預金残高300万円以下: 年0.10% 普通預金残高300万円超: 年0.04%
自動入出金サービス: 「自動入出金(すいーぶ)」は、楽天銀行と楽天証券の口座間で資金を自動でやりとりするサービスです。
このサービスを設定すると、資金の手動での移動が不要になります。例えば、証券口座での買い注文時に不足資金は自動的に楽天銀行から補充されます。
資金の自動移動は、営業日の夜間に行われるため、金利の優遇を受ける機会を逃さずに済みます。
口座の残高を自分で管理しやすくなるほか、入出金時の手数料も無料であるため、楽天銀行と楽天証券の両方をお使いの方にとっては非常に便利なサービスです。
メリット3: 楽天ポイントの蓄積が容易
楽天銀行では、楽天グループの充実したサービスを通じて、楽天ポイントを効率よく蓄積することができます。
SPU(スーパーポイントアッププログラム)によるポイントアップ: このプログラムは、楽天グループの各種サービスを利用することで楽天ポイントを増やすことができる仕組みです。特に、楽天カードのお支払い口座を楽天銀行に指定することで、楽天市場でのお買い物ポイントが最大で1倍になります。
ハッピープログラムとの相乗効果: 楽天銀行のハッピープログラムを利用すると、振込や証券取引などの各種取引に対してもポイントが付与され、さらに会員ステージに応じてポイントの獲得倍率がアップします。
メリット4: カードの高還元率
楽天銀行では、キャッシュカードにクレジット機能やデビット機能を付帯することが可能で、年会費無料でありながら1%という高いポイント還元率を誇ります。特にデビットカードの還元率は、業界の中でも特に優れています。
メリット5: 口座開設と同時申込のカードローン特典
「楽天銀行スーパーローン」に口座開設と同時に申し込むことで、30日間無利息でキャッシングサービスを利用することができます。この特典は、初めて借り入れを行った翌日から適用されるため、賢く利用することで急な資金ニーズにも柔軟に対応できます。
メリット6: 豊富な提携ATMネットワーク
楽天銀行は、提携しているATMの数が多く、利便性に優れています。セブン銀行、イオン銀行、ローソンATMなど日常的にアクセスしやすい場所にATMが設置されており、入出金や残高照会が手軽に行えます。
お客様の家計の節約にも役立つサービスを提供しており、保険料の見直しによる節約もお手伝いさせていただいております。ご自身の貯金額を増やしつつ、家計にも優しい選択をご検討いただければと思います。
楽天銀行利用時の考慮点4つ
楽天銀行の利便性とサービスには魅力が満載ですが、その一方でいくつかのデメリットも認識しておく必要があります。ここでは、手続きや利用条件に関する4つの考慮点についてご案内いたします。
デメリット1: 取引手数料が比較的高め
楽天銀行では、他のネット銀行と比較して入出金手数料がやや高めに設定されている場合があります。これは、提携ATMの使用時に特に顕著です。
手数料の例: 例えば、楽天銀行では3万円未満の入金時にも手数料がかかる場合があり、最大で275円の手数料が発生することがあります。これを避けるためには、ハッピープログラムでの会員ステージの昇格が必要になります。
デメリット2: 無料手数料の条件付き
楽天銀行のハッピープログラムを通じて、ATM使用手数料や他行への振込手数料を無料にすることが可能ですが、これにはある程度の残高維持や取引数が要求されます。例えば、残高が10万円以下や取引数が5件以下だと「ベーシック」となり、手数料がかかるため、ご自身の取引状況をよく考慮する必要があります。
デメリット3: 実店舗の不在
楽天銀行はネット専業銀行であるため、対面での窓口サービスが提供されていません。そのため、振込やその他の手続きを全て自分で行う必要があり、問題が発生した場合もインターネットや電話でのサポートに頼ることになります。
デメリット4: 楽天銀行カードと楽天カードの同時保有制限
楽天銀行では複数のカードを提供しており、目的に応じて最適なカードを選択することが推奨されています。しかし、楽天銀行カードの作成を選択した場合は、楽天カードの同時発行ができないという制約があります。楽天銀行デビットカードを選択すれば、楽天カードとの二枚持ちが可能ですが、楽天銀行のキャッシュカードは原則として16歳未満の方のみが対象である点も留意する必要があります。
楽天銀行を最適に活用できる方
楽天銀行が提供する様々なメリットと、いくつかの注意点を考慮した上で、特にこの銀行が適していると思われる方をご紹介します。
楽天グループのサービス愛用者: 楽天銀行は、楽天市場や楽天トラベルなど、楽天グループの様々なサービスを頻繁にご利用の方に特におすすめです。これらのサービスを組み合わせることで「スーパーポイントアッププログラム」が適用され、獲得できる楽天ポイントが増加します。こうしたポイントは楽天銀行の取引手数料の削減や楽天市場でのショッピングに利用することができます。もし、既に楽天のサービスをお使いでしたら、楽天銀行での口座開設による追加のメリットを享受することが可能です。
10万円以上の預金を維持できる方: 10万円以上の預金を楽天銀行に常に保持することが可能な方にも、この銀行は適しています。10万円以上の残高を保つことで会員ステージが「アドバンスト」以上になり、ATMの手数料や他行への振込手数料が免除されるなどの優遇を受けることができます。特に、給与の振込みなどで毎月一定の残高を維持することが予定されている方は、楽天銀行の優遇制度をフルに活用することができるでしょう。
『楽天銀行口座開設の手順』 楽天銀行への口座開設は、以下の簡単なステップで進められます。
- 公式サイトでの申し込み: 楽天銀行の公式ウェブサイトからオンラインで口座開設の申し込みを行います。ここで基本的な情報を入力し、希望するカードの種類を選択します。
- 本人確認書類の提出: お手元のスマートフォンを利用したアプリ、郵便物の提示、または郵送を通じて、必要な本人確認書類を提出します。
- ThankYouレターに基づく初期設定: 銀行の審査を経て、ThankYouレターが届きます。このレターに記載されている初期ユーザーIDや仮ログインパスワードを使って、オンラインのマイページにログインし、取引に必要な暗証番号などを設定します。これで口座開設のプロセスは完了です。
楽天銀行利用の総括
楽天銀行は、楽天グループが運営するサービスを日常的にご利用の方々にとって、特に魅力的なメリットが多くある銀行です。利用者が楽天グループの様々なサービスを活用するほど、優遇されるポイントの獲得量やサービスの特典が充実していくというのが大きな特徴です。
特に楽天市場でのショッピングを頻繁に楽しまれる方や、楽天カードを日々のお支払いに使っている方にとっては、ポイント還元率の向上という形で直接的な恩恵を受けることができます。
しかし、このような優遇を享受するためには、特定の条件を満たす必要があることも認識しておくべきでしょう。例えば、ATM手数料や振込手数料を無料にするには、楽天銀行内での預金残高を一定以上に保つか、所定の取引回数を確保する必要があります。
また、他の銀行と比較して手数料が高めに設定されている点や、全ての手続きをオンラインで自己管理しなければならないことなど、一部の利用者にとっては不便に感じる可能性も考慮する必要があります。
最終的に楽天銀行で口座を開設するかどうかは、これらのメリットとデメリットを慎重に比較検討し、個々のライフスタイルや金融ニーズに合致するかどうかを判断することが重要です。ご自身の利用状況や金融目的に合わせて、最良の選択をなさることをお勧めいたします。
