高校生活、それは新しい友人や活動、そして経験が増える時期。この時期には、自然と出費も増えてきますよね。
「高校生って、一体月にどれくらいのお小遣いをもらっているんだろう?」そんな疑問を抱いている人も中にはいるかもしれません。
この記事では、高校生のお小遣いに関する平均的な額や、お小遣いを手渡しする際のポイント、さらには主な使われる分野などについて触れてみたいと思います。
高校生のおこづかい:一か月の通常額とは
進学関連の情報提供をしている「スタディサプリ進路」(通称:スタサプ)の主催で行われた2022年の「高校生おこづかい実情調査」によれば、高校生が1ヶ月に受け取るおこづかいの平均は5,582円で、中央の金額は5,000円と報告されています。
学年が進むごとの金額の変動
全ての高校生を対象にした平均おこづかい金額が5,582円となっている一方、高校1年生、2年生、そして3年生と学年が進むごとに、おこづかいの額が増加する傾向が確認されました。
また、高校3年生までの期間に平均おこづかい金額が14.9%、すなわち+746円増加したことも明らかになっています。
学年 | 平均金額 |
全学年平均 | 5,582円 |
高校1年生 | 5,013円 |
高校2年生 | 5,518円 |
高校3年生 | 5,759円 |
(引用:高校生お小遣い実態調査2022|スタディサプリ進路)
私たちの周りにも、お年玉で「学年が進むと金額が増える」というのはポピュラーな考え方。おこづかいにおいても、高校入学や次の学年に進むタイミングで金額が増加することが一般的のようです。
おこづかいの増額交渉に関しては、「交渉したことがない」と答えた生徒が70%以上という結果となりました。
一方で、おこづかい「ゼロ」と答えた高校生も存在
実施された調査によると、おこづかいを受け取っている高校生は全体の70%を超えていましたが、残りの30%の生徒は「もらっていない」と答えました。
例として、一定の金額をもらうのではなく、お金が必要な時だけ要求するケースや、アルバイトをしているためおこづかいをもらわない状況の家庭も存在しています。
家庭の事情やアルバイトの有無など、おこづかいの形は様々だということが分かりますね。
高校生とお小遣い:どのように渡すか、どう受け取るか
お小遣いの渡し方は、大まかに3つのパターンに分けることができますね。
特徴 | |
月額制(定額制) | 毎月一定のお小遣いを手渡しするスタイルです。 学年が上がるにつれて、少しずつ増額する家庭も少なくありません |
都度制 | お小遣いは「その時々の要望や必要」に応じて渡されます。 欲しいものや目的に応じて、その都度金額が変わることが特徴です。 |
報酬制 | 特定の行動や成果をもたらした時のみ、お小遣いとして報酬を受け取る方法です。 例えば、家庭の手伝いや学校のテストでの良好な成果など、特定の条件下で受け取る。 |
この調査結果からも明らかになったように、高校生たちの中で最も人気なのは「月額制」で、64.9%の生徒がこの方式でお小遣いを受け取っています。それに続いて「都度制」が36.6%、そして「報酬制」は9.1%という結果になっています。よって、月額制でのお小遣い受け取りが主流であることが伺えます。
「月額制が一番良いのかな?」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、各方式にはそれぞれの良さや注意点が存在します。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
月額制 | ・計画的に貯蓄や予算編成ができる ・家計の見通しが立てやすい | ・「お金は定期的にもらえるもの」という意識が強くなる可能性がある |
都度制 | ・お子さんが自分の欲しいものや必要なものを説明することで、交渉能力が養われる | ・お金のやりくりの感覚が鈍くなるかもしれない |
報酬制 | ・子供が自主的に家事の手伝いや勉強に励む動機付けになる | ・報酬を得る目的で行動することが習慣化する恐れがある |
私たちの生活において、お金の管理や使い方はとても重要ですよね。特に、お子様のお小遣いの渡し方は、その後のお金に対する考え方や、節約の習慣などを形成する大きな要因となります。
「月額制」は、家計の管理をしやすくするだけでなく、子供たちに計画的な貯蓄の重要性や予算編成のスキルを学ばせることができます。ただ、お子様が「お金は定期的にもらえるもの」と感じるリスクも考慮する必要があります。
一方、「都度制」は、お子様が欲しいものを自らの言葉で説明し、そのためのお小遣いをもらう方法です。この方法を選ぶと、お子様の交渉能力が向上する可能性があります。ただ、お金の感覚をしっかりと持つことが少し難しくなるかもしれませんね。
そして、「報酬制」は、努力や成果に応じてお小遣いをもらえる方法です。家事の手伝いや学校の勉強など、自らの行動で報酬を得られるので、やる気を引き出す効果が期待できます。ただし、報酬のためだけに行動するような習慣が身につく恐れもあるので、注意が必要です。
どの方法も一長一短ですが、家族全員で話し合い、最適な方法を見つけるのも良い方法かもしれませんね。
高校生がお小遣いで何に使ってる?
スタサプの最新調査から、高校生がお小遣いで主に何に使っているかが明らかになりました。結果として、「友人との交際費」、「自分の好きなこと」、そして「おやつや食事」がトップ3に上がってきました。
その中で、1位の友人との交際費に関しては、学校が終わった後のちょっとしたコンビニでのおやつが多いようです。
2位の自分の好きなことに関しては、お気に入りのアーティストの商品や、ライブ、ファンイベントなどのためにちょっとずつ貯めて、一気に使っているという声も聞かれました。
そして、2023年に入り、新型コロナウイルスのカテゴリーが変わり、各地でのイベントが復活し始めたことから、イベント参加料や友達との小旅行などの出費が増えてくることも予想されます。
お小遣いについての総括
お小遣いの正確な金額って一概に言えないものですよね。
それぞれの家庭には、さまざまな背景や考え方がありますし、それを尊重することが大事です。
しかし、お小遣いの「いくら」よりも「どうやって」渡すか、という点が実は重要かもしれません。
お小遣いが当然にもらえるものと思ってしまうことなく、お金の価値をしっかりと理解してもらうための教育が、親としては必要ですよね。ちょっとした気配りや注意で、子どもたちのお金に対する姿勢も少しずつ形成されていくものだと思います。