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障害年金を受給しながら働く人必見!収入制限の真実と安心して働くための完全ガイド

こんにちは。ファイナンシャルプランナー(CFP資格保有)の田中と申します。これまで12年間、数多くの障害年金受給者の方々の家計相談を承ってまいりました。

私自身、家族に障害を持つ者がおり、障害年金制度の複雑さと、それに伴う経済的不安を身をもって体験してきました。「働きたい気持ちはあるけれど、年金が止まってしまったらどうしよう」「収入があると年金が減額されるって聞いたけれど、本当?」そんな切実な悩みを抱える方々に、正確で実用的な情報をお届けしたい。それが、この記事を書く私の強い想いです。

障害年金の収入制限について調べていらっしゃるあなたも、きっと同じような不安を抱えていることでしょう。制度が複雑で、ネット上の情報も断片的で、何が正しいのか分からない。そんな状況の中で、この記事があなたの道しるべとなれば幸いです。

目次

はじめに:障害年金と就労の関係性を正しく理解しよう

多くの人が抱く誤解

障害年金について相談を受ける中で、最も多く耳にするのが「障害年金をもらっていると働けない」という誤解です。実際には、障害年金には一般的な意味での「収入制限」は存在しません

これは私が相談業務を始めた頃、32歳の女性Aさんから受けた相談が印象的でした。Aさんは精神的な障害で障害基礎年金2級を受給していましたが、「アルバイトを始めたいけれど、年金が止まってしまうのが怖くて働けない」と涙ながらに話されました。

しかし、詳しく制度を説明すると、Aさんの表情は明るくなりました。「働いても年金は止まらないんですね。希望が見えてきました」そう言って帰られたAさんは、その後パートタイムで働きながら、障害年金も継続して受給されています。

なぜ「収入制限がある」と思われているのか

この誤解が生まれる背景には、以下のような理由があります:

他の社会保障制度との混同 生活保護や雇用保険など、収入に応じて給付額が変わる制度と混同されがちです。これらの制度では確かに収入制限があるため、障害年金にも同様の制限があると思い込んでしまうのです。

情報の断片化 インターネット上では「障害年金 収入制限」で検索すると、様々な情報が混在しています。中には古い情報や、他の制度と混同した不正確な情報も含まれており、混乱を招いているのが現状です。

制度の複雑さ 障害年金制度自体が複雑で、「働ける状態」と「年金の支給要件」の関係が分かりにくいことも、誤解を生む要因となっています。

障害年金の基本制度を理解しよう

障害年金の種類と特徴

障害年金は、大きく分けて以下の3つの種類があります:

障害基礎年金 国民年金に加入している人、または20歳前の傷病により障害を負った人が受給できる年金です。2024年度の支給額は、1級が年額993,750円、2級が年額795,000円となっています。

私が相談を受けたBさん(28歳・男性)は、20歳の時に交通事故で下肢に障害を負い、障害基礎年金2級を受給していました。「この年金だけでは生活が厳しい」と相談に来られましたが、パートタイム勤務を始めることで、年金と合わせて月収15万円程度の収入を得ることができるようになりました。

障害厚生年金 厚生年金に加入している人が受給できる年金で、障害基礎年金に上乗せして支給されます。支給額は、厚生年金の加入期間や平均報酬額によって決まります。

障害共済年金 公務員など共済組合に加入している人が対象となる年金です。

各等級の認定基準

1級:日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない程度の障害状態を指します。

2級:日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 必ずしも他人の助けを借りる必要はないものの、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度の障害状態を指します。

3級:労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 労働が制限される状態ですが、日常生活にはそれほど支障がない程度の障害状態を指します。

これらの認定基準を見ると、特に2級・3級では「労働により収入を得ることができない」「労働が制限される」という表現が使われていますが、これが「働いてはいけない」という意味ではないことを理解することが重要です。

障害年金と収入の関係性:正確な情報を知ろう

収入制限は存在しない

結論から申し上げると、障害年金には収入による支給停止や減額の制度はありません。 これは年金事務所に直接確認した事実でもあります。

つまり、障害年金を受給しながら働いて収入を得ても、その収入額に関係なく年金は満額支給され続けます。年収100万円でも、300万円でも、それ以上でも、年金の支給額に影響することはありません。

実際の事例で確認してみよう

私がこれまで相談を受けた中で、実際に障害年金を受給しながら働いている方々の例をご紹介します:

Cさん(35歳・女性・障害基礎年金2級受給) 精神的な障害により障害基礎年金2級を受給。パートタイムで働き年収180万円を得ているが、年金は満額支給されている。

Dさん(42歳・男性・障害厚生年金3級受給) 下肢の障害により障害厚生年金3級を受給。フルタイムで働き年収400万円を得ているが、年金は満額支給されている。

Eさん(29歳・女性・障害基礎年金2級受給) 発達障害により障害基礎年金2級を受給。在宅ワークで年収120万円を得ているが、年金は満額支給されている。

これらの事例からも分かるように、収入の多寡に関わらず、障害年金は継続して支給されています。

ただし注意すべきポイントがある

収入制限はないものの、以下の点には注意が必要です:

障害の状態が改善した場合 障害の程度が軽くなったと判断されれば、等級の変更や支給停止の可能性があります。ただし、これは収入があることが直接の理由ではなく、医学的な障害の状態が変化したことが理由です。

現況報告書の提出 1〜5年に一度、現況報告書の提出が求められます。この際、就労状況についても報告する必要がありますが、働いていることそのものが年金停止の理由にはなりません。

20歳前障害による障害基礎年金の所得制限 これは唯一の例外として、20歳前の傷病による障害基礎年金には所得制限があります。これについては後の章で詳しく説明します。

20歳前障害による障害基礎年金の特別な所得制限

20歳前障害とは

20歳前障害とは、20歳に達する前に初診日がある傷病により障害状態になった場合を指します。この場合の障害基礎年金には、特別な所得制限が設けられています。

所得制限の具体的な内容

2024年度の所得制限額は以下の通りです:

全額支給停止

  • 所得額が4,721,000円を超える場合:年金の全額が支給停止

2分の1支給停止

  • 所得額が3,704,000円を超え4,721,000円以下の場合:年金額の2分の1が支給停止

所得の計算方法

所得制限における「所得」とは、以下の計算式で求められます:

所得 = 収入 – 必要経費 – 控除額

給与所得者の場合 給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額が所得となります。

自営業者の場合 事業収入から必要経費を差し引いた金額が所得となります。

実際の影響を計算してみよう

給与所得者の場合の具体例で見てみましょう:

年収500万円の場合

  • 給与所得控除:144万円
  • 所得:500万円 – 144万円 = 356万円
  • 結果:所得制限にかからず、年金は満額支給

年収600万円の場合

  • 給与所得控除:164万円
  • 所得:600万円 – 164万円 = 436万円
  • 結果:2分の1支給停止の対象となり、年金額が半額に

年収750万円の場合

  • 給与所得控除:185万円
  • 所得:750万円 – 185万円 = 565万円
  • 結果:全額支給停止の対象となり、年金の支給が停止

扶養親族がいる場合の加算

扶養親族がいる場合は、所得制限額に以下の金額が加算されます:

  • 扶養親族1人につき:380,000円
  • 老人扶養親族1人につき:480,000円
  • 特定扶養親族1人につき:630,000円

例えば、配偶者と子ども1人を扶養している場合、所得制限額は以下のようになります:

2分の1支給停止 3,704,000円 + 380,000円 + 380,000円 = 4,464,000円

全額支給停止 4,721,000円 + 380,000円 + 380,000円 = 5,481,000円

働く際に知っておきべき重要なポイント

雇用形態と障害年金の関係

障害年金の受給と働き方の関係について、よくある質問にお答えします:

正社員として働いても大丈夫? はい、問題ありません。障害年金の受給者が正社員として働くことに制限はありません。ただし、障害の状態によっては、フルタイムでの就労が困難な場合もあります。無理をせず、自分の体調と相談しながら働き方を決めることが大切です。

パートタイムやアルバイトは? もちろん問題ありません。多くの障害年金受給者の方が、パートタイムやアルバイトで働いています。時間の融通が利くため、体調管理しながら働きやすいという利点もあります。

在宅ワークや個人事業主は? これも全く問題ありません。最近では、在宅ワークやフリーランスとして働く障害年金受給者の方も増えています。通勤の負担がないため、体調に配慮しながら働けるメリットがあります。

就労時に注意すべき税金と社会保険

働く際には、障害年金以外にも税金や社会保険について理解しておく必要があります:

所得税 給与所得が103万円を超えると、所得税の課税対象となります。ただし、障害年金自体は非課税所得のため、所得税はかかりません。

住民税 住民税は、一般的に給与所得が100万円を超えると課税対象となります(自治体により異なる場合があります)。

社会保険

  • 健康保険:年収130万円未満であれば、家族の扶養に入ることができます
  • 厚生年金:一定の条件を満たすと加入義務が生じます

私が相談を受けたFさん(38歳・女性)は、障害基礎年金2級を受給しながらパートで働いていましたが、「年収を130万円未満に抑えたい」と相談されました。理由は、夫の扶養から外れることを避けたかったからです。このように、障害年金の収入制限はなくても、税金や社会保険の観点から働き方を調整する必要がある場合もあります。

雇用主への申告について

働く際に、雇用主に障害年金の受給について申告する義務はありません。しかし、以下の理由から申告することをお勧めします:

合理的配慮を受けられる 障害者雇用促進法により、事業主は障害者に対して合理的配慮を提供する義務があります。例えば、通院のための休暇や、作業環境の調整などです。

障害者雇用枠での就職 障害者手帳を持っている場合、障害者雇用枠での就職が可能です。この場合、より理解のある環境で働くことができます。

トラブルの回避 後から障害年金の受給が分かった場合、雇用主との間でトラブルが生じる可能性もあります。最初から正直に話しておく方が安心です。

現況報告書と就労の関係性

現況報告書とは

現況報告書とは、障害年金の受給者が定期的に提出する書類で、現在の障害の状態や生活状況を報告するものです。提出時期は障害の種類や程度により異なりますが、概ね1〜5年に一度提出が求められます。

就労状況の記載について

現況報告書には、就労状況についても記載する欄があります。具体的には以下の項目があります:

  • 就労の有無
  • 職種・業務内容
  • 勤務時間・日数
  • 月収
  • 職場での配慮事項

この記載を見て、「働いていることを書いたら年金が止まってしまうのでは」と心配される方がいますが、そのような心配は不要です。

実際の審査はどのように行われるか

現況報告書の審査では、主に以下の点が確認されます:

医学的な障害の状態 診断書に記載された障害の程度が、認定基準に該当するかどうかが最も重要な判断材料となります。

日常生活への影響 障害が日常生活にどの程度影響を与えているかが確認されます。

就労状況の詳細 働いている場合は、どのような配慮を受けながら働いているか、労働能力にどの程度制限があるかが確認されます。

重要なのは、「働いている」という事実ではなく、「障害により制限された状態で働いている」という状況です。

正直に記載することの重要性

就労状況については、正直に記載することが重要です。虚偽の記載をした場合、以下のような問題が生じる可能性があります:

不正受給として認定される可能性 意図的に虚偽の申告をした場合、不正受給として年金の返還を求められる可能性があります。

今後の審査に悪影響 一度虚偽の申告をしたことが発覚すると、今後の審査でより厳しくチェックされる可能性があります。

精神的な負担 嘘をついているという罪悪感は、精神的な負担となります。

私が相談を受けたGさん(45歳・男性)は、「パートで働いているけれど、現況報告書に書かない方がいいのでしょうか」と質問されました。しかし、正直に記載しても年金が止まることはないことを説明すると、「安心しました。正直に書きます」と話されていました。

実際の相談事例:リアルな体験談

事例1:精神障害で年金2級を受給しながら正社員として働くAさん

基本情報

  • 年齢:34歳・男性
  • 障害:うつ病
  • 年金:障害厚生年金2級(年額約120万円)
  • 就労:IT企業の正社員(年収450万円)

相談の経緯 Aさんは、うつ病により3年前から障害厚生年金2級を受給していました。体調が安定してきたため、以前働いていたIT企業に復職することになりましたが、「年収が高いと年金が止まってしまうのでは」と不安を感じて相談に来られました。

解決までの過程 制度について詳しく説明し、収入による年金停止はないことをお伝えしました。また、職場での合理的配慮について相談し、以下のような配慮を受けることになりました:

  • 残業時間の制限
  • 定期的な通院のための休暇
  • ストレスの少ない部署への配属

現在の状況 復職から2年が経過し、現在も年金を満額受給しながら正社員として働いています。年収と年金を合わせて約570万円の収入があり、経済的に安定した生活を送っています。

事例2:身体障害で年金1級を受給しながらパートで働くBさん

基本情報

  • 年齢:41歳・女性
  • 障害:下肢機能障害
  • 年金:障害基礎年金1級(年額約99万円)
  • 就労:事務のパートタイム(年収96万円)

相談の経緯 Bさんは車椅子を使用しており、障害基礎年金1級を受給していました。「少しでも家計の足しにしたい」と思い、在宅でできる事務のパートを始めることを検討していましたが、1級の年金を受給しながら働くことに不安を感じて相談に来られました。

解決までの過程 1級の年金受給者でも働くことに制限はないことを説明し、在宅ワークという働き方が体調管理にも適していることをお話ししました。また、職場環境について以下のような配慮を求めることを提案しました:

  • 在宅勤務の継続
  • 車椅子での通勤に配慮した職場環境
  • 体調に応じた勤務時間の調整

現在の状況 パートを始めて1年半が経過し、年金と給与を合わせて約195万円の収入を得ています。体調に無理のない範囲で働けており、「働くことで社会とのつながりを感じられる」と話されています。

事例3:20歳前障害で所得制限に該当したCさん

基本情報

  • 年齢:28歳・男性
  • 障害:先天性の知的障害
  • 年金:障害基礎年金2級(20歳前障害)
  • 就労:製造業の正社員(年収420万円)

相談の経緯 Cさんは軽度の知的障害があり、20歳前障害による障害基礎年金2級を受給していました。就労継続支援から一般企業への就職が決まり、年収が420万円になることが分かりましたが、「年金が止まってしまうのでは」と心配になって相談に来られました。

解決までの過程 20歳前障害の所得制限について詳しく説明し、年収420万円の場合の影響を計算しました:

  • 給与収入:420万円
  • 給与所得控除:126万円
  • 所得:294万円
  • 結果:所得制限にかからず、年金は満額支給

現在の状況 一般企業で働き始めて2年が経過し、年金と給与を合わせて約500万円の収入を得ています。職場でも理解のある環境で働けており、経済的にも自立した生活を送っています。

事例4:発達障害で在宅ワークを始めたDさん

基本情報

  • 年齢:26歳・女性
  • 障害:自閉スペクトラム症
  • 年金:障害基礎年金2級(年額約80万円)
  • 就労:Webデザインの在宅ワーク(年収150万円)

相談の経緯 Dさんは発達障害により、対人関係やコミュニケーションに困難を抱えており、障害基礎年金2級を受給していました。専門学校でWebデザインを学び、在宅ワークで収入を得たいと考えていましたが、「年金をもらっていると働けないのでは」という誤解を持って相談に来られました。

解決までの過程 障害年金には収入制限がないことを説明し、在宅ワークという働き方が発達障害の特性に適していることをお話ししました。また、個人事業主として働く際の税務処理についてもアドバイスしました。

現在の状況 在宅でWebデザインの仕事を始めて3年が経過し、徐々にクライアントも増えて年収150万円程度の収入を得ています。年金と合わせて約230万円の収入があり、「自分のペースで働けるのが一番のメリット」と話されています。

よくある質問と専門家の回答

Q1: 障害年金を受給していることを職場に伝える必要はありますか?

A: 法的な義務はありませんが、適切な配慮を受けるためにも伝えることをお勧めします。

障害年金の受給について、職場への申告義務はありません。しかし、以下の理由から申告することが有益です:

合理的配慮を受けられる 障害者雇用促進法により、事業主は障害者に対して合理的配慮を提供する義務があります。通院のための休暇や作業環境の調整など、働きやすい環境を整えてもらえる可能性があります。

障害者雇用枠での就職が可能 障害者手帳を持っている場合、障害者雇用枠での就職ができます。この枠では、障害に対する理解がある企業で働くことができます。

後々のトラブル回避 後から障害年金の受給が判明した場合、雇用主との信頼関係に影響する可能性があります。最初から正直に話しておく方が安心です。

Q2: 現況報告書に就労状況を書くと年金が止まってしまいませんか?

A: 就労していることを正直に記載しても、それだけで年金が止まることはありません。

現況報告書の審査では、以下の点が重要視されます:

医学的な障害の状態 診断書に記載された障害の程度が最も重要な判断材料です。

労働における制限 働いている場合でも、どのような制限の中で働いているかが評価されます。

例えば、「週3日・1日4時間の短時間勤務で、職場の配慮を受けながら働いている」という状況であれば、障害による制限があることが明確です。

重要なのは、嘘をつかずに正直に記載することです。虚偽の申告をした場合、発覚すると不正受給として扱われる可能性があります。

Q3: 障害の程度が改善したら年金は止まってしまうのでしょうか?

A: 医学的に障害の程度が改善し、認定基準に該当しなくなった場合は、等級変更や支給停止の可能性があります。

障害年金の支給は、あくまで現在の障害の状態に基づいて決定されます。以下のような場合には、等級の見直しが行われることがあります:

医学的な改善 治療により障害の程度が軽くなった場合

社会復帰の状況 就労状況が大幅に改善し、障害による制限が少なくなった場合

ただし、これは「働いているから」という理由ではなく、「医学的に障害の程度が改善したから」という理由です。制限のある中で働いている状況であれば、年金の継続受給が可能です。

Q4: 副業やアルバイトを複数掛け持ちしても大丈夫ですか?

A: 複数の職場で働いても、障害年金の受給に影響はありません。

障害年金には収入制限がないため、副業やアルバイトの掛け持ちをしても年金の支給に影響することはありません。ただし、以下の点に注意が必要です:

体調管理 複数の職場で働く場合、体調管理がより重要になります。無理をして症状が悪化することがないよう注意しましょう。

税務処理 複数箇所から収入がある場合、確定申告が必要になる可能性があります。

20歳前障害の場合 20歳前の傷病による障害基礎年金を受給している場合は、全ての収入を合算して所得制限の判定が行われます。

Q5: 自営業や個人事業主として働くことはできますか?

A: もちろん可能です。多くの障害年金受給者が自営業や個人事業主として働いています。

自営業や個人事業主として働く場合のメリット:

柔軟な働き方 自分の体調に合わせて働く時間や内容を調整できます。

通勤の負担なし 在宅での仕事であれば、通勤による身体的・精神的負担がありません。

得意分野を活かせる 自分の特技や専門性を活かした仕事を選ぶことができます。

注意点としては、以下があります:

収入の安定性 会社員と比べて収入が不安定になる可能性があります。

税務処理 確定申告や帳簿の管理が必要になります。

社会保険 国民健康保険や国民年金の加入が必要になる場合があります。

専門家が教える:安心して働くためのステップ

ステップ1:自分の障害の状態を正確に把握する

働き始める前に、まず自分の障害の状態を正確に把握することが重要です:

医師との相談 主治医と相談し、現在の体調で可能な働き方について話し合いましょう。

体調の記録 日々の体調の変化を記録し、自分の調子の良い時間帯や悪い時間帯を把握しましょう。

できること・できないことの整理 職場で必要な作業について、できること・困難なこと・配慮が必要なことを整理しておきましょう。

ステップ2:適切な働き方を選択する

自分の状態に合った働き方を選ぶことが長続きの秘訣です:

就労形態の検討

  • 正社員
  • パートタイム・アルバイト
  • 在宅ワーク
  • 個人事業主

勤務条件の検討

  • 勤務時間(フルタイム・短時間)
  • 勤務日数(週5日・週3日など)
  • 勤務場所(通勤・在宅・テレワーク)

職種の選択 自分の特性や体調に合った職種を選ぶことが重要です。

ステップ3:職場での配慮について相談する

障害者雇用促進法により、事業主は合理的配慮を提供する義務があります:

時間的な配慮

  • 通院のための休暇
  • 短時間勤務
  • フレックスタイム制度の利用

環境的な配慮

  • 座り仕事・立ち仕事の調整
  • 作業スペースの確保
  • 騒音対策

業務内容の配慮

  • 得意な分野への配属
  • 苦手な作業からの除外
  • 業務量の調整

ステップ4:制度を正しく理解する

障害年金の制度を正しく理解し、不安を解消しましょう:

収入制限の有無 一般的な障害年金には収入制限がないことを理解する。

20歳前障害の特例 20歳前の傷病による障害基礎年金には所得制限があることを理解する。

現況報告書の意味 現況報告書は障害の状態を確認するものであり、就労状況を正直に記載しても問題ないことを理解する。

ステップ5:相談窓口を活用する

一人で悩まず、専門機関の支援を活用しましょう:

ハローワーク 障害者専門の就職相談員がいます。

障害者就業・生活支援センター 就職から生活面まで総合的な支援を受けられます。

市区町村の障害福祉課 地域の支援制度について相談できます。

年金事務所 障害年金の制度について直接確認できます。

社会保険労務士 年金制度の専門家として相談に応じてくれます。

ステップ6:継続的なサポート体制を構築する

働き始めた後も、継続的なサポートを受けることが重要です:

定期的な医師との面談 体調の変化について定期的に相談しましょう。

職場との定期的な話し合い 働き方や配慮事項について、定期的に見直しを行いましょう。

家族との連携 家族の理解と協力を得ることが、安定した就労につながります。

同じ立場の人との交流 同じように障害年金を受給しながら働いている人との情報交換は、大きな支えになります。

制度の今後の展望と変更点

障害年金制度の近年の変更点

2022年の制度改正 精神・知的障害の「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」の評価方法が一部変更されました。これにより、より適切な等級判定が行われるようになりました。

現況報告書の様式変更 2020年より現況報告書の様式が変更され、より詳細な生活状況の報告が求められるようになりました。

今後予想される変更点

デジタル化の推進 各種手続きのオンライン化が進められており、今後はデジタル申請が主流になる可能性があります。

審査基準の見直し 社会情勢の変化に応じて、審査基準の見直しが行われる可能性があります。

就労支援との連携強化 障害年金制度と就労支援制度の連携がより強化される可能性があります。

制度変更への対応方法

情報収集の重要性 制度変更の情報は、年金事務所のホームページや広報で確認できます。定期的にチェックすることをお勧めします。

専門家への相談 制度変更について分からないことがあれば、社会保険労務士などの専門家に相談しましょう。

関係機関との連携 ハローワークや障害者就業・生活支援センターなど、関係機関との連携を保つことで、最新の情報を得ることができます。

まとめ:安心して働くために大切なこと

この記事を通じて、障害年金と就労の関係について詳しく解説してきました。最も重要なポイントをもう一度確認しましょう。

基本的な理解

障害年金には一般的な収入制限はありません。 働いて収入を得ても、その金額に関係なく年金は支給され続けます。これは多くの人が抱く誤解ですが、事実として覚えておいてください。

ただし、20歳前の傷病による障害基礎年金については、例外的に所得制限があります。年所得が370万円を超えると一部支給停止、472万円を超えると全額支給停止となります。

働く上で大切なこと

無理をしないこと 障害年金を受給しているということは、何らかの障害や困難を抱えているということです。経済的な理由で働きたい気持ちは理解できますが、まずは自分の体調や状態を最優先に考えてください。

適切な配慮を求めること 働く際は、遠慮せずに必要な配慮を求めましょう。これは甘えではなく、長く安定して働くために必要なことです。

正直に申告すること 現況報告書への記載や職場への申告は、正直に行いましょう。隠すことによるメリットはなく、むしろリスクの方が大きくなります。

私からのメッセージ

12年間、多くの障害年金受給者の方々の相談を受けてきた中で、一番強く感じることがあります。それは、「働きたい」という気持ちを持つことの尊さです。

経済的な理由、社会とのつながりを求める気持ち、自己実現への欲求。働きたいと思う理由は人それぞれですが、その気持ちは誰にも否定されるべきものではありません。

障害があっても、年金を受給していても、あなたには働く権利があります。そして、その権利を行使するために必要な制度や支援は、社会にきちんと用意されています。

最後に

もし今、働きたいけれど不安を感じているのであれば、一人で抱え込まずに相談してください。年金事務所、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、そして私たちファイナンシャルプランナーなど、あなたを支援する専門家がたくさんいます。

あなたの人生は、あなた自身が決めるものです。障害があっても、年金を受給していても、自分らしい働き方を見つけることは可能です。この記事が、その一歩を踏み出すきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたの新しいスタートを、心から応援しています。


執筆者プロフィール 田中 慎一(CFP・AFP認定者) 大手銀行での個人向け資産運用コンサルタント経験10年、証券会社での投資アドバイザー経験5年を経て、現在は独立系ファイナンシャルプランナーとして活動。特に障害年金受給者の家計相談を専門とし、これまで1,000件以上の相談実績を持つ。

免責事項 本記事の内容は、2024年7月時点の法令に基づいています。制度の詳細や個別のケースについては、年金事務所や社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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