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世帯年収1000万円の全体割合とその影響: 手取り、税金、住宅ローンガイド

個人として年収1,000万円を得るのと、夫婦で合わせて同じ金額を得るのとでは、後者の方が一般的に多く見られることでしょう。そんな中、世帯年収1,000万円という数字の背後に隠れる真実に、興味を持つ方も多いでしょう。

実際、世帯年収1,000万円を超える家庭は、全体で12.1%となっています。

このページを読むと、世帯年収1,000万円を持つ家庭の具体的な数値はもちろんのこと、その収入に伴う税金の詳細、手取り額の概要、そして毎日の生活の質や、家を購入する際のローンの組み方などの情報が得られます。

このような収入を持つ家庭のライフスタイルや、新しい家を計画している方々に、役立つ情報を提供していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

1000万円の世帯年収、その実態とは?

2018年の厚生労働省による統計データをもとに、日本全体で世帯年収1,000万円以上を稼いでいる家庭は12.1%に過ぎないことが明らかとなりました。これを具体的に表現すると、8.3世帯中1世帯がこの年収を達成しています。

この調査結果をさらに深堀りすると、平均的な世帯年収は552.3万円というデータが出てきます。これは、1,000万円という額が平均の約2倍であることを意味しています。ただし、平均値と中央値は異なるので注意が必要です。具体的には、61.1%の家庭が年収552.3万円以下であり、中央値は実際には437.0万円となっています。

参考文献:厚生労働省の「国民生活基礎調査」(PDF)

この調査結果での「所得」は、税法上の所得とは異なり、税金や社会保険料が含まれる点に留意が必要です。

1000万円の世帯年収、税金と手取りの詳細

日本で世帯年収1,000万円以上を持つ家庭は上位12.1%に位置します。この収入の場合、具体的な税金や社会保険料、そして実際に手元に残る金額はいくらになるのでしょうか。

以下に、2つの異なる家庭のケースを考慮し、それぞれの税金や手取りを検証してみます。

  • 条件1:東京都に住む42歳の夫婦。共に年収500万円で共働き。2人の子ども(16歳と12歳)を持つ。
  • 条件2:条件1の家庭において、夫だけが年収1,000万円を稼ぐ場合(片働き)
共働き片働き
健康保険料57.3万円58.0万円
厚生年金保険料90.0万円71.4万円
雇用保険料3.0万円3.0万円
所得税23.8万円65.3万円
住民税44.8万円55.1万円
手取り781.2万円747.2万円
税金負担割合6.85%12.04%
社会保険料負担割合15.03%13.23%
合計負担割合21.88%25.28%

この結果から、共働きの家庭は片働きの家庭よりも税金の負担が軽減され、手取りが増加することがわかります。具体的には、世帯年収1,000万円の場合、手取りは約750~800万円となる見込みです。

この差は主に所得税に起因します。共働きの場合、同じ1,000万円の収入でも、所得控除の恩恵を受けやすくなるため、課税所得が低下します。この結果、課税率も低くなるため、共働きの家庭が税金の負担を軽くすることができるのです。

年収1000万でも本当に心地よい生活が送れるのか?

「世帯年収1,000万円を超えるけれども、毎日の暮らしが案外ピンチ」という声を耳にすることがありますね。このような感じが現実にあたるのか、詳しく見てみましょう。

総務省がまとめた家計調査によれば、世帯年収1,000万円の家庭の可処分所得は平均で70.2万円。それに対し、消費支出は38.9万円となっており、結果的に31.3万円の収支の黒字となっています。月々の30万円程度のプラス収支を持っていることは、年収が350~400万円の家庭と比較すると、確かに余裕を感じる生活ができると言えそうです。

さらに、年収が1,000~1,250万円の家庭に目を向けると、持家を所有している家庭の割合が高く、特に子供の教育やレジャー活動にかかる支出が多い傾向が見受けられます。

項目年収350~400万円年収1,000~1,250万円倍率
持家率70.20%84.40%1.2倍
可処分所得¥298,436¥701,6092.4倍
消費支出¥240,177¥388,7801.6倍
食料¥63,890¥94,8761.5倍
住居¥24,799¥20,4410.8倍
水道光熱¥20,406¥23,0361.1倍
家具・家事用品¥9,651¥17,3341.8倍
被覆・履物¥6,490¥14,7262.3倍
保健医療¥9,451¥15,9181.7倍
交通¥2,933¥7,7002.6倍
自動車等関係¥29,483¥39,9581.4倍
通信¥14,187¥17,5761.2倍
教育¥5,038¥27,5025.5倍
教育娯楽¥16,842¥36,2062.1倍
その他¥37,006¥73,5062.0倍
黒字¥58,259¥312,8295.4倍

参考文献:総務省「家計調査 二人以上の世帯 年収別 表2-3」

住宅の購入に関連するローン返済やクレジットの支払い、株や債券などの投資に関する出費は、資産や負債の増減と直結するため、この消費支出には計上されていません。また、住居の経費として、家賃も考慮されていますが、これは全体の約1.1万円となっており、多くの家庭が自宅を所有していることが伺えます。

この点に注目し、持家と賃貸住宅の家庭で、住居に関する月々の支出を比較検討してみると、次のような結果が得られました。

  • 持家での住宅ローンの返済:58,521円
  • 賃貸住宅での家賃:74,023円

参考文献:総務省「家計調査 二人以上の世帯 住居の所有関係,年収別 表2-6」

住宅ローンの毎月の返済額が平均で5.9万円、対照的に賃貸の家賃が平均7.4万円ということから、どちらの選択も生活における支出としてはそれほど重圧になっていないようです。ただ、こうした数字は「平均」を示すものなので、各家庭の状況によっては異なる点を理解することが大切です。

1,000万円年収の家庭の住宅ローンの実情

1,000万円の世帯年収を持つ家庭の中で、住宅の月々のローン返済額の平均はおおよそ5.9万円となっています。この年収の範囲では、ローン返済に関して少しのゆとりを持って取り組むことができそうですね。

さて、このような年収を持つ世帯が、無理なく組むことができる住宅ローンの額はどれくらいかというと、次の2つの基準を参考にすると良いでしょう。

  1. 借入の総額は年収の5~6倍とする
  2. 返済負担の総額は25%を超えないように

安全な借入額: 年収の5~6倍を目安に

住宅を購入する際のローンの借入額として、通常年収の5~6倍が適切とされています。例えば、世帯年収が1,000万円の場合、50~60万円を借り入れることが適切な範囲となります。

加えて、住宅金融支援機構が2019年に実施した住宅金融支援機構「2019年度 フラット35利用者調査」(PDF)によると、マンションの購入者の平均購入価格は4,521万円で、これは年収の約7.1倍にあたります。

月々の返済負担: 25%以下が理想

月々の収入の中で住宅ローン返済にどれだけの割合を割くれるかという「総返済負担率」は、25%以下が理想的とされています。したがって、世帯年収が1,000万円の家庭の場合、返済額は「世帯年収1,000万円×25%を12ヶ月で割ったもの」、すなわち約20.8万円以下が望ましいとされています。また、手取り額(750万円)を基にすると、月々の返済は約15.6万円以下が適切となります。

最後に、月々の返済負担を軽減するためには、最初に用意する頭金の額を増やすことが大切です。実際、家計調査調査によると、マンション購入者の平均の頭金額は736.2万円でした。

全体像:世帯年収1000万円の家庭、その実態とは

年収1,000万円以上を持つ世帯の全体の中での割合は、大体12%となっています。これをもう少し分かりやすく言うと、10の家庭のうち、ひとつの家庭が1,000万円以上の年収を持っているということになりますね。そして、共働きの家庭の方が片働きの家庭よりも、収入が高くなる傾向が見られるようです。

1,000万円以上の年収を持つ家庭の生活スタイルを見ると、月々の収支で黒字30万円という、なかなか安定した生活ができているようです。その中で、住宅ローンの返済額の平均は、5.9万円程度です。さらに、高収入の家庭は、子供の教育に関する費用の支出が多いようです。

住宅の購入を検討するとき、頭金をしっかりと準備して、月々の返済を15.6万円以下にすることが望ましいとされています。でも、ここで紹介した数字は一般的な平均値なので、実際の家庭の状況によっては、もっと異なる場合もあると思います。

最後に、収入を増やしたいときや、住宅の購入を考えるとき、自分だけで決断するのは難しいかもしれません。そんなときは、ファイナンシャルプランナーやその他の専門家にアドバイスを求めることをオススメします。彼らの知識と経験を活用することで、より良い選択ができるでしょう。

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