家計管理は、日々の生活の中で重要な要素です。節約を心がける中で、少しでも余裕を持たせたいと思うのは自然なこと。特に、家計の節約ポイントとして、夫のお小遣いを見直すことが考えられます。しかし、「周りの人はどのくらいのお小遣いなのか」「我が家のお小遣いの額は適切か」といった疑問が浮かぶこともあるでしょう。
「収入は変わらず、支出だけが増え続ける・・・」という家計のジレンマに直面した時、夫へのお小遣いの額について考えるのは一つの解決策です。この記事では、夫に毎月いくらのお小遣いを渡せばよいか、その適正額を考える方法についてお話しします。
夫のお小遣い、適正な額は月収の5~10%
夫へのお小遣いの理想的な額は、「月の手取り収入の5~10%」とされています。例えば、月の手取りが30万円の場合、夫のお小遣いは3万円が一つの目安となります。
ただ、この額はあくまで一般的な目安に過ぎません。夫婦の職業や家計の状況によって、適正なお小遣いの額は変わるものです。大切なのは、お互いが納得できる金額について、しっかりと話し合うこと。お小遣いの金額を決める際は、夫婦間でのコミュニケーションを大切にしましょう。
年代別!夫のお小遣いの平均額とは?「3万9,836円」が基準
家庭の経済状況を考慮する際、夫のお小遣いの平均額は非常に重要な指標の一つです。新生銀行が20代から50代の会社員男女2,700人を対象に行った「2018年サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員の平均お小遣い額は「3万9,836円(前年比2,408円増)」と報告されています。この額は、「4万円弱」というのが一般的なイメージとなります。この平均額をもとに、ご家庭のお小遣いの額を考えてみるのも良いでしょう。
しかし、この平均額はあくまで参考値であり、サラリーマンの生活状況によって大きく異なります。たとえば、大学生以上の子供がいる家庭や未婚のサラリーマンも含まれています。年齢や子供の有無、妻の就業状況など、さまざまな要因でお小遣いの金額は変わることを理解しておきましょう。では、年代別のお小遣い平均額についても詳しく見ていきます。
20代男性会社員の平均額は「4万2,018円」。この年代は、子どもがいないことが多く、住宅ローンなどの負担も少ないため、比較的自由に使える金額が大きいと言えます。
30代男性会社員の場合、平均は「3万6,146円」です。家庭や子供の存在により、養育費やローン、保険料などの負担が増え、お小遣いが制限される傾向にあります。
40代男性会社員の平均額は「3万7,073円」。この年代は30代とほぼ同額ですが、家庭の経済負担も変わらず続いていることが伺えます。
50代男性会社員では、「4万4,017円」となります。子供の自立により、家計にかかる負担が減少し、お小遣いが増加傾向にあることが分かります。
30代、40代は「働き盛り」とされ、後輩社員が増え、飲み会などでの支出が増えることも多いです。そのため、月3万円〜4万円台のお小遣いは、現実的な負担と感じられる場合もあります。これらのデータを参考に、家庭ごとの適切なお小遣いの額を見極めることが重要です。
サラリーマンのお小遣い、主な使い道とその平均金額
サラリーマンの日常生活で、お小遣いの使い道は様々です。特に多くの方が「昼食費」にお小遣いを充てていることが、新生銀行のアンケート調査から明らかになっています。ここでは、サラリーマンが月々に使うお小遣いの主な使い道と、それぞれの項目に必要な平均金額を紹介します。
【サラリーマンの月々のお小遣いの使い道と、必要な平均金額】
- 昼食費:10,383円
- 携帯電話代:7,211円
- 嗜好品代:8,983円
- 飲み会費用:13,037円
- 趣味に関わる費用:12,246円
- 車やガソリン代:8,576円
- 身だしなみに関する費用:3,678円
- パソコンや通信費:3,414円
- 遊興費:14,263円
これらの項目において、「必要だ」と感じる人の割合は、昼食費が最も高い43.2%となっています。これを踏まえて、もし家計の見直しを考えるのであれば、特に昼食費の削減が有効な手段となるでしょう。
男性会社員の1日当たりの平均昼食費は570円です。これを月21日間の出勤日と仮定し、毎日お弁当を持参すると、約11,970円になります。これは毎日外食するよりもコストを抑えることが可能です。しかし、毎日弁当を用意することが大変であったり、営業職などで弁当を持参できない状況も考慮する必要があります。
このような場合、昼食代をお小遣いではなく食費として扱うという考え方もあります。昼食を節約して健康に悪影響を及ぼすことは避けるべきです。家計のバランスを保ちながら、合理的なやりくりを心がけることが重要です。
家庭環境に合わせたお小遣い制度の重要性
ここで紹介したお小遣いの額は、あくまで一般的な目安です。家庭ごとに異なる収入や生活環境によって、お小遣いの額は大きく変わることがあります。重要なのは、「月々の収入額」「生活環境」「職場環境」などを総合的に考慮して、お小遣いの額を決定することです。
例えば、「散髪や身だしなみに関する費用は社会的な必要性から生活費に含める」「タバコやビールなどの嗜好品は個人の判断で必要かどうかが異なるため、お小遣いから出す」といった具体的な基準を設けることが有効です。
夫婦間でのコミュニケーション不足は、お互いにとってストレスの原因となります。夫は「毎日働いている」ことを、妻は「欲しいものを我慢している」ことを理由に、それぞれが不満を感じることもあります。そうならないためにも、二人でしっかりと話し合い、納得のいくお小遣いの額を設定することが肝心です。どのように生活をしていくか、どのように生きたいかということを夫婦で共有し、お小遣いの額を決めることで、より良い家庭生活を送ることができます。