皆さん、「貯蓄預金」という言葉を聞いたことはありますか？
貯蓄預金は、私たちがよく耳にする普通預金や定期預金と同様に、銀行で利用できる預金の一つです。最近はあまり耳にすることが少なくなったこの貯蓄預金ですが、実は貯金をする上でとても便利な機能を持っているのです。
今回は、そんな貯蓄預金の特徴や普通預金・定期預金との違い、そしてその魅力的な活用方法について、分かりやすくご説明します。
貯蓄預金は「貯蓄に特化した預金の形態」
貯蓄預金とは、その名の通り「貯金を目的として作られた預金」です。
この預金は、預け入れた金額に応じて設定される金利が特徴で、普通預金に比べてより高い利息が期待できます。
貯金に特化しているため、公共料金の支払いやクレジットカードの引き落としには利用できないのが一般的です。
貯蓄預金と普通預金、そして定期預金との違いについて
「貯蓄預金は貯金専用の預金」と聞くと、「では定期預金とはどう違うの？」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、貯蓄預金ならではの利点や欠点、さらには定期預金との差異についても詳しくご紹介します。
貯蓄預金の利点を詳しく探る
貯蓄預金の最大の利点：いつでも自由に払い戻しが可能 貯蓄預金には「いつでも自由に払い戻しが可能」という大きな魅力があります。
普通預金のように、必要な時に自由にお金を引き出すことができるのです。これは、定期預金とは異なり、満期を待たずに払い戻しできる点が特徴的です。
入金額が自由：1円単位での預入れが可能 貯蓄預金におけるもう一つの便利な点は、1円以上の任意の額から預け入れができることです。これにより、小額からでも貯金を始めやすくなっています。
さらに、普通預金と同様に、預金保険の対象となる点も安心です。また、口座残高が一定の最低限を下回った場合、普通預金と同じ利率が適用されます。
利息の仕組み：段階金利が設定されている 貯蓄預金では、金利の仕組みに2つのタイプが存在します。一つは、残高に応じて金利が変わる「金額階層別金利型」。もう一つは、残高に関係なく一律の金利が適用される「金額別金利型」です。
金額階層別金利型では、口座の残高が多ければ多いほど、より高い利息を受け取ることが可能です。しかし、実際にはこのシステムはあまり効果を発揮していないのが現状です。
一方、金額別金利型では、口座残高にかかわらず、設定された一定の金利が適用されます。これは、頻繁に入出金を行う場合や、残高が大きく変動する場合に適しています。
貯蓄預金のデメリットに注目
支払い口座としては利用できない
貯蓄預金口座は、公共料金やクレジットカードの支払い口座としては使用することができません。ATMや銀行窓口を通じての振込や預け入れは可能ですが、支払い用口座としての利用はできない点がデメリットと言えます。
金利の差がほとんどない現状
現代の超低金利環境においては、多くの銀行で貯蓄預金の段階金利はほとんど機能していません。金額が10万円でも1000万円でも、金利に大きな差がなく、金額階層別金利の利点を享受するのは困難なのが現実です。
「スイングサービス」の利用で貯蓄預金を賢く活用
スイングサービスによる自動的な貯金のメカニズム 現代においては、貯蓄預金を積極的に利用する機会は減少しています。これは、貯蓄預金の金利が普通預金や定期預金と大差ないため、特別なメリットが見出しにくいからです。しかし、貯蓄預金には「スイングサービス」という、貯金を促進する独特な仕組みが存在します。
スイングサービスとは何か？
「スイングサービス」とは、予め設定した日に指定した金額を自動で他の預金口座へ移動させるサービスです。金融機関によって多少の違いはありますが、通常は普通預金口座に一定額以上の残高がある場合、その超過分を貯蓄預金口座に移動させることができます。
このサービスでは、移動する金額を「指定金額」または「指定残高を超える金額」のどちらかで設定できます。月給に変動がある方や、普通預金に余剰資金があると使ってしまう人にとって、自動で貯金を行うこの仕組みは非常に便利です。
スイングサービスのメリット
スイングサービスの最大のメリットは、振り替えた資金を必要に応じて自由に払い戻すことが可能な点です。自動積立定期預金のようなサービスもありますが、そちらでは払い戻しに手続きが必要になります。一方、貯蓄預金であれば、払い戻しがより容易です。また、一部の金融機関では、貯蓄預金から普通預金への逆スイングも利用可能です。
家計管理にスイングサービスを取り入れる際のコツとして、ATMの設置場所が遠い金融機関で契約することも一つの方法です。これにより、緊急時には引き出せますが、普段は引き出しにくい環境を作ることができます。
スイングサービスのデメリット
ただし、スイングサービスを利用する際には手数料が発生することがあります。一般的には、一回あたり100円（税抜）の手数料がかかることが多いです。
まとめ
本記事では、貯蓄預金の利点と欠点、そして特におすすめする「スイングサービス」について詳細に説明しました。貯蓄預金は、収入に変動がある方や、貯金のシステムを確立したい方に特に適しています。
しかし、金利の観点からは、定期預金がより有利であることを忘れてはいけません。一定の資金が貯まったら、定期預金や個人向け国債のような、より高い利率の選択肢を検討するのも良いでしょう。
