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国民年金保険料免除の基準と対策ガイド – 年収別解説と年金減額への対応方法


「国民年金保険料の免除について、自分の年収が対象範囲に入るか気になる」という疑問は、多くの方が共有していると思います。国民年金保険料は一年間で約20万円(令和2年度で月額16,540円)となり、これは決して軽視できる金額ではありません。そこで、国民年金保険料を「完全に免除」する制度や、納付猶予の仕組みについて、わかりやすく説明していきたいと思います。

特に、以下のポイントに焦点を当てて解説します:

  1. 国民年金保険料の免除や納付猶予を受けるための条件
  2. 免除や納付猶予を受けるための基準となる年収(所得)
  3. 保険料を免除や納付猶予した場合の年金受給額への影響
  4. 免除や納付猶予を受けても、将来受け取れる年金額を減らさない方法
  5. 免除や納付猶予制度の申請方法

この情報は、自分自身が国民年金保険料の免除や納付猶予の対象になるかを知るための一助となるでしょう。また、年金制度を賢く利用するための参考にもなります。それでは、具体的にこれらのポイントについて見ていきましょう。

目次

どのような方が国民年金保険料の免除や納付猶予の恩恵を受けることができるのか?

多くの方が疑問に思う国民年金保険料の免除や納付猶予の対象者について、具体的に説明します。対象となるのは主に以下のような方々です:

失業中、または新型コロナウイルスの影響で収入が減少した人
年収が一定の所得基準以下の人
簡単に言えば、国民年金の第1号被保険者、すなわち自営業者、フリーランス、パート・アルバイト労働者、学生、失業者などがこの制度の恩恵を受けることができます。

さらに、産前産後の期間には保険料免除制度(通常4か月間、多胎妊娠の場合は6か月間)が適用されます。生活保護を受けている方や2級以上の障害年金受給者は「法定免除」の対象であり、自分で申請する必要がなく自動的に保険料が免除されます。

①失業している方や新型コロナの影響を受けた方

本記事では特に「一定の所得基準以下の方」に焦点を当てて解説していきますが、失業中の方もこの免除・納付猶予制度の恩恵を受けることが可能です。

さらに、2020年2月以降に新型コロナウイルスの影響で収入が減少し、後述する所得基準以下になる見込みの方も、この制度を利用できます。新型コロナに関連する免除・納付猶予の詳細は国民年金機構の公式ページで確認できます。

②一定の所得基準以下の方

前年の年収(所得)がある基準年収(所得)以下の場合、申請を行い、承認されれば国民年金保険料の免除や納付猶予が可能になります。免除される額は所得に応じて次の5つのパターンに分けられます:

全額免除
4分の3免除
半額免除
4分の1免除
納付猶予(支払い義務は消えない)
これから、どのような基準で免除や納付猶予の対象となるのか、具体的な基準所得について詳しく見ていきましょう。

国民年金保険料の免除や納付猶予のための年収(所得)基準について

国民年金保険料の免除や納付猶予を受けるための基準となる所得に関して、具体的な情報をお届けします。この制度は、一定の条件を満たす人々に適用されます。

免除/納付猶予所得基準
全額免除(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
若年者納付猶予(20歳以上50歳未満)(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
学生納付猶予118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

まず、保険料が免除されるのは、本人だけでなく、世帯主や配偶者も含めて、全員の所得が特定の基準以下である場合です。また、特に若年者納付猶予の対象となるのは、本人と配偶者の双方の所得が同じ基準以下である場合に限られます。学生納付猶予については、学生本人の所得のみが審査の対象となり、家族の所得は影響しません。つまり、学生自身の所得が基準以下であれば納付猶予を受けることが可能です。

また、障害者や寡婦(寡夫)、未婚のひとり親などの場合は、通常の所得基準とは異なる特別な基準が適用されます。これらのカテゴリーに該当する場合、本人や世帯主、(障害者の場合のみ配偶者を含む)の前年所得が125万円以下であれば、全額免除の対象になります。

重要なのは、免除や納付猶予の基準が「年収」ではなく「所得」であることです。所得とは、収入からその収入を得るために必要だった経費を差し引いた金額を指します。つまり、国民年金保険料の免除や納付猶予を検討する際は、単なる収入額ではなく、実際の所得額を基に考える必要があります。自身の所得額は、確定申告書や源泉徴収票で確認することができます。

さらに、所得基準には「扶養親族等控除額」や「社会保険料控除額」などの要素が含まれています。これらは年末調整や確定申告で申告された金額に基づいています。

このように、国民年金保険料の免除や納付猶予の基準は、扶養親族の数や社会保険料控除の額によって異なります。次に、さまざまな世帯の具体的なケースを挙げながら、基準所得について詳しく解説していきます。

ケース① 母子家庭世帯(父子家庭世帯)の場合

母子家庭(または父子家庭)で、本人が寡婦(寡夫)や未婚のひとり親である場合、前年の年間所得が125万円以下であれば、保険料の全額免除や納付猶予の対象となります。選択肢は、免除か納付猶予のいずれかです。ただし、親と同居しているなど、他に世帯主が存在する場合には、その世帯主の所得については通常の所得基準に基づいて審査が行われます。

ケース② 親と同居している世帯の場合

次に、親と同居している世帯のケースを考えてみましょう。ここでは、扶養親族が70歳以上の親1人だけと仮定します。この場合、扶養親族等控除額は「老人扶養親族」に該当し、控除額は58万円となります。

免除/納付猶予所得基準
全額免除92万円
4分の3免除136万円+社会保険料控除額等
半額免除176万円+社会保険料控除額等
4分の1免除226万円+社会保険料控除額等
納付猶予92万円

ケース③ 一人暮らし(独身)世帯の場合

最後に、一人暮らし(独身)世帯のケースを見てみましょう。この場合、扶養親族がいないことを前提とします。一人暮らしの場合、全額免除や納付猶予を受けるための所得基準は57万円以下となり、他のケースに比べて免除や納付猶予を受けることがやや難しくなります。

免除/納付猶予所得基準
全額免除57万円
4分の3免除78万円+社会保険料控除額等
半額免除118万円+社会保険料控除額等
4分の1免除158万円+社会保険料控除額等
納付猶予57万円

国民年金保険料免除・納付猶予を受けた場合、年金額はどの程度減少する?

国民年金保険料の免除や納付猶予が所得基準に該当する場合、次に気になるのは「将来受け取る年金の金額がどの程度減少するのか」という点ですね。

国民年金保険料の全額免除を受けたとしても、年金は半額程度は保障されるように設計されています。これは、私たちが支払うべき国民年金保険料の額と同じ金額を国が「国庫負担分」として補填してくれるからです。

免除/納付猶予もらえる年金額
全額免除全額納付した場合の2分の1
4分の3免除全額納付した場合の8分の5
半額免除全額納付した場合の8分の6
4分の1免除全額納付した場合の8分の7
納付猶予増減なし

また、全額免除、部分免除、納付猶予を受けた期間も、年金受給資格期間としてカウントされることに注意してください。つまり、たとえ1年間全額免除を受けたとしても、その期間は加入期間に含まれ、将来の年金受給に影響します。

将来の年金を最大限に受け取るためには、追納制度を利用しよう

年金保険料の全額免除を1年間受けると、将来受け取れる年金額は満額の半分程度に減少する可能性があります。しかし、経済的に余裕ができた場合は、追納制度を利用することで、次のようなメリットがあります:

  1. 受け取れる年金額が増加する。
  2. 追納した金額は社会保険料控除の対象となり、税金が軽減される。

ただし、追納を利用する際には以下の点に留意が必要です:

  • 年金事務所での申し込みが必要。
  • 追納は承認されてから遡って10年以上前の分には適用されません。
  • 3年以上前の保険料には追加料金がかかります。
  • すでに老齢基礎年金を受け取っている方や、年金請求権がある65歳以上の方は追納できません。

国民年金保険料免除・納付猶予制度の申請方法について

申請先住民登録地の役所にある国民年金担当窓口
申請方法窓口/郵送
必要書類申請書、年金手帳または基礎年金番号通知書※場合によってその他書類が必要

免除・納付猶予の申請方法は比較的シンプルです。申請書は年金事務所の窓口で入手することも、日本年金機構のウェブサイトからダウンロードすることも可能です。

ただし、審査結果が出るまでには2~3か月程度かかることがあります。その間に保険料の納付催促状が届くこともありますが、審査結果が出るまでは納付を待った方が良いでしょう。

まとめ:国民年金保険料免除・納付猶予を適切に活用しよう

これまで国民年金保険料の免除・納付猶予の所得基準について詳しく解説しました。この所得基準は、扶養親族の数や社会保険料控除の額によって変わるため、自分が該当するかを知るには、源泉徴収票や確定申告書などの資料を確認することが重要です。

例えば、扶養親族がいない場合の所得基準は57万円以下、1人いる場合は92万円となります。

要件に該当しているにも関わらず、申請を行わないと免除や納付猶予の恩恵を受けることはできません。忘れずに適切な申請を行い、国民年金制度を賢く活用しましょう。

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